『Canvas』(原題)
公開年度2020年。上映時間9分。
パートナーの死により意気消沈していた爺さんが、喪失を受け入れ、熱意を注いでいた絵画に再び向き合うまでを描く短編でタイトル通り、キャンバス地に絵具で引いた線を再現した2Dアニメーション。
爺さんは妻を亡くした後、苦しみの中で、もう絵を描くことができない。
しかし、孫娘が彼の隠されたアートスタジオを見つけると、妻の思い出がフラッシュバックして、彼は再び絵を描き始めるように促される。
これは、死と悲しみについてのアニメーション映画であり、とても柔らかく、非常に感動的な作品です。
主人公は丁寧に描かれホンマによくデザインされてる。
アニメーション全体も非常に洗練されて素晴らしくサクッと見れる作品でした。
アニメーション全体を通してエレガントに構成されてるし、孫娘がかわいくて、その関係が理想的で素晴らしかった。
常に線が揺れ動いて一点に留まることがないし、人物の輪郭とかは、主線がなく、陰影のみで描かれている箇所もあった。
こないな流動性は2D作画で描かれる対象が虚構であることを強調すると同時に、主人公の爺さんにとって絵を描く行為が自由や解放といった意味を持つことも示してるんかも知れません。
事物が滑らかに動く2D作画は、静的な3DCGパートとのコントラストも相まって、主人公のパートナーへの思慕、そして絵画が彼にもたらす喜びを際立たせていたと思います。