このレビューはネタバレを含みます
信じるものは同じ神なのに、対象が違うだけで、信じられなくなるのかねぇ〜……。
アフガニスタンで平和維持活動として駐留するフランス軍は、ある日監視小屋から二人の隊員が消息をたってしまう事態に遭遇。
大尉は、付近の村がゲリラと内通して誘拐したと調査をするが、村人が丘で羊を生贄に捧げる儀式を発見し、また二人の隊員が消息をたつ。
村人は、アッラーに羊を捧げれば、居なくなった人は帰るというのだが…。
感想。
戦場スリラーとしては、なかなか良く出来ていたと思います。
役者達の演技も良く、ナイトビジョンゴーグルやサーマルスコープの映像なども交えて、ざらついた映像がリアルさを出していました。
物語は、無宗教の私的には難解な部分もあり、オチも何だったんだというよくある展開ですが、戦場で未知のゲリラを相手に、交戦ではなく監視活動を続ける兵士のストレスから起きる妄想などのPTSDを、神の人攫いとかけて表現する作品として、個人的には楽しめました。
終始、対象が理解出来ない相手に対して疑念のみで、狼狽して仲間割れまで起こすフランス軍の大尉は、信心深い部下の言葉でラストシーンは、同じ神を信じているという理解で試すのか、羊を4匹捧げる行動を起こしますが、村人の言葉を聞かずにきてしまっていて時既に遅しでしょうか、帰ってきたのは4人の遺体。
軍からは、F14の爆撃要請ポイントへ兵士を派遣した誤爆とのことで、大尉は軍事裁判にかけられるラストが、未知の者への理解をしない犠牲ともとれます。
キリスト教徒には、イスラム教徒の教えは理解に苦しむでしょうが、逆もまたしかり。
でも、同じ「神」を崇めているんですけどね、誰もその姿を見たことがないだけで。
そんな解釈すら思わせる、なかなかの良作でしたので、3点を付けさせていただきました。
放題が悪い典型作品にて、理解されずに評価が低い今作を暗示するかのようです(笑)