牛猫

とんびの牛猫のレビュー・感想・評価

とんび(2022年製作の映画)
2.5
妻を失った夫と、彼に男手一つで育ててもらった息子の固い絆を描いた話。

試写会にて。

予告編から感じていた嫌な予感が見事に的中。昭和のテイストで描かれた昭和の価値観の映画だった。

母親を事故で亡くした不器用な男が街の人に助けてもらいながら幼い息子を育てるという大筋も、なんかその設定だけで既にお腹いっぱいな感じ。

ストーリーについては原作未読なのでどこからどこまでがオリジナルか分からないけど、どこかで見たことあるようなエピソードの羅列に、分かりやすい御涙頂戴展開に辟易。そして盛り上がりどころに被せてくるように大音量のBGM。邦画のうんざりポイントを凝縮したような作品。
極め付けは北村匠海と杏の老後シーン。クライマックスの大事な場面にも関わらず、志村けんのコントみたいな安っぽいカツラに、これまた安っぽいメイクで完全に台無しだった。
阿部寛の過去と未来の演じ分けも甘いというか、無理がある。

この内容だったらTBSのドラマ版で十分だろうし、わざわざ映画化させる意味を見出せなかった。見てないからなんともいえないけど、キャストもドラマ版の方が合ってる気がする。

139分の上映時間も長すぎ。父子の絆を示すエピソードもこれといって心に迫るものがなかったし、ここがこの物語の肝となる部分なのでドラマ版でじっくり描く方が向いてる題材だと思った。
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