塚原直彦

CUBE 一度入ったら、最後の塚原直彦のレビュー・感想・評価

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)
3.3
カナダの伝説的カルト作が20年以上ぶりに満を持して?日本で製作。
オリジナル版のヴィンチェンゾ・ナタリ監督も完全協力した世界初の公認リメイク。

そもそもオリジナルの完成度が高ければ高い程、下手に余計なことをしない方が当然ベターな訳だがそうはいかないのがリメイクの難しい所。
新たな要素に挑むアイディアとセンスが重要となってくるが、回想シーンの追加や群像劇をよくある主人公主軸の展開に変換した事により持ち味を悉く殺してしまったのはとにかく残念。

上映時間90分というシンプルでシャープだったオリジナル版から15分以上伸ばした事もあまり意味を成さず、テンポの悪さをより露呈する結果に。
一体誰目線で撮られたんだ?という映像や、妙にクリアな画質でリアリティを失い没入感を激減させてしまったのも辛い。
比べなければ勿論楽しめるポイントも多いが、比べるなというのは土台無理な話でリメイクが抱える永遠のジレンマであり因果な宿命。
塚原直彦

塚原直彦