ドント

サイバーブライドのドントのレビュー・感想・評価

サイバーブライド(2019年製作の映画)
-
 2019年。う~~~ん!! 0点!! 人間そっくりのサイボーグが売られている、たぶん近未来の世界(※その他は2020年現在の様子と全く変わりナシ)。なんか急に死んだ妻を忘れられぬ夫がサイボーグを買い、妻の容姿と記憶ほかをトレースするが……
 胸に基盤をくっつけた人間の役者が起き上がり、「オハヨウゴザイマス」とか言い、【起動・同期中】などと字幕を出すことで「はい! これが! サイボーグです!!」と言い張っていく。これが本作の導入である。ジャケにいるメカニカルな女性ではない(こんなものは一切出てこない)。サイバー度、ゼロ! もう完全にヒューマンである。これで「そういうことにする」図太さにはちょっとワクワクしたがしかし、次のシーンからもう全部ダメである。いやその導入からしてダメだろとは言わないでやってほしい。
「サイボーグは暴走しうる」という説明を加えるシーン&主人公夫婦が悲劇に見舞われるこの序盤。これがもうひどい。ここからあらかたひどい。撮影も編集も演技も演出もほぼ全てひどい。いちいち指摘していくとかきりがないのでやめるが、低予算ならそれなりに工夫すべきとか言う以前に「映像としての説明・描写」がまるでダメで頭を抱えてしまう。
 一個だけ挙げるならこの「サイボーグ」、人間そっくりに出来ているというのに、動きが「ウイーンッ ウイーンッ」である。すごい技術のサイボーグなのに動きがロボコップて。もう21世紀やぞ? さらに人間の生活を学習して「人間は どうして 争うの?」「人間は 暴力を 好む生き物 なのね」などと言う。これいつのSF? もう21世紀やぞ?
 サイボーグ暴走の理由も一貫してなくてわかるようでわかんねぇし、撮影も演出もヘナヘナのプー。スケール感もエログロもなく、ツギハギとギクシャクで成る脚本は言わずもがな。唯一褒めたいのは妻のサイボーグを演じた人がまばたきをせずクワッと目を見開いて、生身のボディながら「不気味の谷」ぶりをちゃんと滲ませていた点であろうか。
 ここまで頑張って書いてきたけど、とても疲れを感じる。ネタにできるほど面白くはなく愛嬌もない、才能や工夫どころか基本がなってない感じの映画であった。カネと才能がないのは首がないのと一緒や。この監督がこの他に3本撮っているというのが信じられぬ。心が寒くなったので、今夜はあったかくして寝たいと思います。
ドント

ドント