Emiii

パーフェクト・ケアのEmiiiのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
5.0
成年後見人を仕事とするマーラは、判断能力に欠ける高齢者を守ることを建前に、後見人業でボロ儲けしている。
ある日突然、担当する高齢者が死亡し、空いたポストにジェニファーという独居老人を目標に定めた。ジェニファーは会社員を40年勤めたあと、戸建てでひとり悠々自適な暮らしをしていた。
知り合いの女医・カレンに診断書を作成してもらい、裁判所の許可が降りる。

さっそく彼女の自宅を訪ね、慣れた段取りで懇意にしている老人ホームへ連れていく。
ジェニファーは抵抗するが、裁判所の命令だからと強い態度で対応するマーラ。
マーラらはすぐに家具や雑貨をカネに変え、さらには自宅も売り出し始める。

ある日、ジェニファーを迎えにきた、という男が訪れるが―――。


とても面白かった。期待以上!
やはりロザムンド・パイクは性悪キャラクターに限る。
日本では『ゴーン・ガール』が有名だが、それも彼女の演技があっての作品。
『プライベート・ウォー』のような自分の信念に生きるキャラも悪くはないが、ハマっていない。
原題もいいけど、邦題の『・』がダイアモンドなのも粋。
冒頭の法廷シーン、マーラが勝ったあとの彼女の表情にゾクゾクする。
キリッとした表情→徐々に口角が上がり、「ほらね」と言わんばかりの彼女。
その自然さが上手い。

また、後見人対象者に会うときとそれ以外のシーンでは、マーラのヘアスタイリングが異なることにも注目されたい。
前者はやさしい雰囲気を持たせる、軽くふんわりとしたスタイリング。
後者は、ついさっきストレートパーマでもかけたんか?と言いたくなるほどの直毛。
こんなに面白い作品なのに、TSUTAYAで全くレンタルされていないのが悲しい。
Rotten Tomatoesでも高評価なのかと調べたら、あまり良くなくてそれもさらに悲しい。
「この作品を見たら、私たちは成年後見人なんか頼まずに自分で全部やると決心する。どうしたらそれができるか考えるのが大変だわ」
だって。
Emiii

Emiii