great兄やん

ひらいてのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
4.5
【一言で言うと】
「偏愛を“開く”とき」

[あらすじ]
成績優秀で明朗快活な高校3年生の木村愛。校内きっての人気者である彼女は、地味で寡黙でありながらも聡明さと謎めいた雰囲気を漂わせる同級生の西村たとえに惹かれていた。そんな折、彼が大事そうに手紙を読んでいるのを見かけ、愛はそれを盗み読みしてしまう。手紙を差し出したのは、糖尿病の持病を抱える地味な新藤美雪だった...。

破壊こそ愛の開放ーーー。

いやぁ凄い。山田杏奈ちゃんが凄すぎる。
思春期の女子高生ならではの悩み、それに危うさを滲ませた演技も良いが、それ以上に自滅的かつ衝動的なドス黒さを孕んだ表情や佇まいがマジで素晴らしい。
特に“目”の表現力にただただ圧倒。
正直ストーリーよりも彼女の演技に集中してしまったくらい、それくらい魅せられましたね(・・;)...

ストーリーとしても自分の好きな人が、誰かの好きな人の“もの”となっているという、いわば少女漫画でよくある話…かと思いきや、そこを“純愛”ではなく“偏愛”として描いたところが非常に良い。
むしろこういったサイコ路線に突っ切ったストーリーだからこそここまで評価が高いのだなとも感じました🤔

自分の学校には居なかったけど、絶対にどこかしらの学校に一人か二人はああいう女の子が居るんだろうなぁ(;´д`)...
顔が全てとはよく言いますけど、いくら山田杏奈ちゃんでもあのタイプだったら絶対避けてるかも😥

それに原作者である綿矢りさならではの世界観も抜群で、原作を読んだことはないものの容易にその雰囲気を感じ取れる映像表現などが満載で、特に愛と美雪が戯れ合うあのアブノーマルな描写が完璧で思わずゾクゾクした(・・;)

ただ、監督が女性だからか全体的に女性目線で描いていることが多く、その点は男だからか理解ができないシーンなどもあったのが少し気になりましたね🤔
まぁこればかりは仕方がないことなんですけど(^◇^;)...ただやっぱり女性の考えてる事って、分かりやすくもあり複雑でもありって感じなんだな〜なんて思ったり(^_^;)

とりあえずそういった目線を抜きにしても独特な世界観に引き込まれてしまう、“恋愛”という純潔な領域にエゴという“闇”が紛れこんだ最低にして最高な映画でしたっっ!!

山田杏奈ちゃんの他にもジャニーズである作間龍斗くんは映画初主演とは思えないような自然かつ何かしらの闇を抱えた演技が良かったですし、芋生悠ちゃんの繊細で無害そうだけど何かしらの闇を抱えている演技も意外性があって良かったですし...
っていうかみんな何かしらの闇抱えてばっかじゃん!!マジで!!😅

高校生の考えてる事ってみんなこんな闇深いもんなのだろうか...それに比べて自分の高校の頃といえば購買のパンの中に練りわさびを入れて友達に食わせるとかいったくっだらねぇ事ばっかやってましたよ(ー ー;)

ホント...高校生って、“どうしようもない”人達なんだなって思いましたね(^◇^;)