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鳩の撃退法のgreat兄やんのレビュー・感想・評価

鳩の撃退法(2021年製作の映画)
3.7
【一言で言うと】
「鳩の衣を借る“鴉”」

[あらすじ]
直木賞受賞経験のある作家・津田伸一は、担当編集者の鳥飼なほみに執筆途中の新作小説を読ませていた。津田の体験を基にしたという新作に魅了される鳥飼だったが、大量の偽札や一家失踪事件、裏社会のドンといった話を聞くうちに、それが小説の中だけの話とは思えず困惑する...。

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のハシゴとして鑑賞。

何気に藤原竜也が主演の映画をスクリーンで観るのは初めてだな〜と思いつつ、そこまで期待はせずに観てみたら意外と面白かったです😯
まぁ確かにそこまでテンポが良いわけでもないし、かと言って面白くない訳でも無かったですし...というか、“これは面白いのか?(・・;)”と疑問になりながらも観ていたという感じでしたね😅

ストーリーは超ざっくり言うと、主人公津田の書いた話の内容が全部現実とリンクするやんけ!!といったお話。
まず全体的な演出がかなり巧妙と言いますか、何が嘘で何が現実か、フィクションとノンフィクションの境界線を曖昧にしたあの描き方に終始困惑させられつつも程よい難解さがとても観ていて小気味良かったです。

それにいつもの藤原竜也のようなケレン味たっぷりの演技ではなく、その“節”を抑えつつも個性を光らせた演技なのもなんだか意外性があって、いつもなら感じる違和感も今回はあまり気にはならなかったですね。
ただまぁその“違和感”というのを欲する自分が居るのも事実な訳でして(^◇^;)...

ただやっぱり予告であったようなインパクトを越える面白味はあまり感じれず、ストーリーとしての面白さよりも藤原竜也などのキャストの存在感だけで成り立ってたな〜といった印象がとても強いのが残念でしたね😔
まぁそこまで期待はしていなかったのでまだ駄作といったレベルではありませんでしたけど...でも本格派ミステリーを期待するのであればちょっとお門違いかもしれませんね。

それでも土屋太鳳や風間俊介といった豪華キャストの共演も観ていて楽しかったですし、それぞれのストーリーが点と点を結んでいく瞬間はまさに“快感”そのもの。
タイトルにもあった“鳩”って一体どんな意味なんだろうか🤔...と思っていたらそういう意味だったのかと納得。
ただ...あれを鳩と捉えるのはいくらなんでも無理あるんじゃねぇか?とは思いましたが(ー ー;)

とにかく何が小説で何が現実なのか、オフビートかつ奇妙な世界観に思考回路がフル稼働させられる映画でした。

全体的に退屈でも無かったですし、様々な謎に思考を巡らせるという点ではかなり面白かったのですが、なんか物足りない”欲求不満“的なものを感じましたね。

まぁ原作が映像化不可能と謳われた代物なんで、しかも上下巻1000ページを超える原作を縮めて2時間に纏め上げただけでもむしろ頑張った方ではないのでしょうか🤔...

これは原作を読まないとダメなパターンだな😓…