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少林寺 十八の羅漢のkuuのレビュー・感想・評価

少林寺 十八の羅漢(2019年製作の映画)
3.5
『少林寺 十八の羅漢』
原題 少林寺十八罗汉(少林寺十八羅漢)。
製作年 2020年。上映時間 94分。
少林寺で修行に励むウージュエら18人の僧兵は、非道な虐殺を繰り返す海賊との戦いを強いられる。
中国武術大会の覇者でもあるアクションスター、 シェー・ミャオが切れのある本格少林アクションを披露。
仏の教えをめぐる深い人間描写にも心を揺さぶられる。

彼らは殺生を禁じる仏の教えを守りながら、 少林拳で海賊を制圧していく。
だが、海賊に父を殺されたウージョンは、敵軍の総長である双子の弟を撲殺してしまい。。。

今作品は、
"明の時代の中国各地において、倭寇(わこう、日本人やと今作品で呼ぶが)と呼ばれる侵略者たちが非道な悪行を繰り広げる中、少林寺の若き僧兵たちがその阻止に立ち向かうさまを描いた武侠アクション。"
とある。
しかも、『この物語は実話に基づく』と。
はぁなんちゅう云われようや日本。
倭寇の原型は確かに日本のカスどもかもしれへん。
しかし、今作品の時代背景は、16世紀半ば。
明の時代の中国各地を、倭寇と呼ばれる非情な海賊たちが荒らし回っていた。
とあるのは事実。
(あくまでも、無知な小生の現在更新したものでは)
倭寇は、14世紀後半から16世紀にかけて、朝鮮半島や中国大陸の沿岸部を荒らしまわったクソ海賊集団は間違いないし、その名の通り、当初は倭人(わじん)(日本人)の「倭」の字が示すように、当初は日本人の海賊集団だったのは確か。
しかし、最近の歴史研究では、倭寇は日本人だけだったかというと、必ずしもそうではなく、同じ集団に外国人も多く含まれていたと歴史はアップデートされてる。
そもそも倭寇は、14世紀後半から15世紀までの前期倭寇と、16世紀の後期倭寇に分けられる。
今作品においては後期の倭寇と云えるし、これまでは前期倭寇の構成員は日本人、後期倭寇は中国人が中心だったとみられてきました。
しかし、近年、前後期とも日本人の割合がかなり少なかったことがわかってきてる。
このことを、全くもって鑑みず、旧式の史実を基にして作られてるのは、ちょいイラっとはきた。
しかし、個人的には好きな少林寺のモンやし、まぁひん曲げた歴史とカンフー好きを相殺して、瞬きすら忘れて視聴いたしやした。
カンフーアクション作品に、アーだコーだ云うのもナンセンスやし、そないなことを横に置いとき観ると、シャープで柔軟なアクションが満載で意外に面白かった。
ただ、近頃の中国作品アルアルの、カットシーンを繰り返すアクション演出が目に触ったのは否めないかな。
音楽家リストの超絶技巧さながらのアクションもこうカットされてるとなぁ。
なんちゃってアクションスターがカットのテクによりあたかもカンフーをこなしてるかのように見せれるしのことやろけど、今作品のような本格的アクションスターにそれを使うのは残念。
でも、まぁ今作品は、最近の中国作品にありがちななんちゃってアクションスター起用モンとはちがい、本格的なアクションスターたちやし、眼を見張った。
シェイ・ミャオって、映画『イップ・マン立志』に出てるそうなんで、期待された俳優さんらしく、現代風の容姿から、ライトなカンフーを想像してたけど、結構重量感ある動きに少し感動したかな。
アクション自体は、ひと昔前の香港カンフーモンと比べたら迫力はないけど、少林寺拳法映画として見せ場は多い作品でした。
今作品のストーリーは、カンフーアクションモンお約束で、期待はしない方が無難かな。
各、エピソードに色がないし、後半で共闘する皮肉屋の兵士の生き残りには、キャラがイマイチ立ってなかったんは勿体ないかな。
まぁカンフーのみを楽しむに当たっては、全くもって楽しめました。
ライトなな印象の作品でしたが、シェ・ミャオとグー・シャンウェイの超絶技巧アクションは十二分に堪能できました。
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