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ブラックボックス:音声分析捜査のYOKのレビュー・感想・評価

4.3
年パスの期限切れ間近だ、迎えギンレイホールへ!キャンペーン(個人開催)2作品目がこちら、「ブラックボックス 音声分析捜査」

ブラックボックスってあれだろ?所謂、飛行機事故が起きたときに何があったか解析するために回収するあれだろ?、的な知識しかない私が勇み足で見てきた。

【あらすじ、あらすじィ!】
乗客乗員全てが死亡という痛ましい航空機事故が起きる。主人公のマチューはいつも通り相方と捜査する予定が天才すぎて外されてしまう。が、相方が謎の失踪を遂げたことによりマチューが操作を引き継ぐことに。マチューの分析は高く評価され、責任者として調査をまとめることとなるが、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電をきっかけに、陰謀を疑ったマチューは危険な捜査へと乗り出すこととなる。

主人公役の男性イケメンだなーと思ってたら『イヴ・サンローラン』の人だった。観たこと無いので観たい。

すごく見応えのある映画だった。ただただ飛行機墜落事故の真相を追うだけでないミステリーがあり、人間ドラマがあった。個人的にはめっちゃ好きな作品。

ブラックボックスは音声だけを残す媒体なので、そこに残されて音から全てを分析しなくちゃいけないの、すごく大変そう。主人公は人より耳が優れており普通では見落としてしまいそうな音も拾えてしまうのすごい能力。

故に過去にはとある事件でのめり込み過ぎてミスを犯した経験があり、「アイツまたのめり込んで残ってない音声まで拾って妄想してやがる」と周りから思われてしまう。仕事に真面目すぎる頑固者が故の辛いところ…。

マチューがこの飛行機事故はどうも可笑しいぞ?辻褄が合わないぞ?と怪しんだことで次から次へと怪しい人や物、音が現れてしまって「飛行機事故」だけでない事実まで露見していく。

元は父親のようにパイロットになりたかったけど目が悪くてなれなかったことをトラウマとしているの、緩くだけど描かれているのもキャラの深みを増してて良かった。

マチューの友達も妻も同僚も消えた同僚も、みんなみんな怪しく見えてくる上、マチューすらも過去の失態があるので「もしかして全部マチューの妄想落ちか?」と思わせてくるので最後まで楽しんで観ることができた。

頑固だけど冷静沈着に、聴こえる音から事実を導き出すマチューがだんだんと狂気じみていくのが凄まじすぎて震えた。俳優さんすごい。目が血走っているというかなんというか…とにかく凄かったので観て欲しい。

回収したブラックボックスの内容と、飛行機事故にあった遺族の方が持つ電話の音声データの辻褄が合わんぞ?って所から二転三転してどんどん謎が深まっていくので見応えがあるのよ。脚本ガッツリ練られてて強い。

なぜ飛行機事故が?の種明かしも「ありそう」というところを突いているし、途中途中で入る事故当時の機内の様子も分かりやすく場面転換の仕方もくどく無くて見ていてノンストレスだった。

終わり方は悲しくも「良くぞ!良くぞやってくれた!」な感じ。スッキリはしないけど真相は闇の中では無いので安心した。ショックで泣いた。

何でもかんでもAIを推し進めて人の手から離れたところに置くのも考えものだよな。人は間違いを起こすけど、それはAIやテクノロジーも同じだろ。だって人間が作って操ってんだもの。うまく共生していこ。

個人的にもう一回見たい。
ポロックは道を誤ったけど結果的にマチューに分かるように手がかりを残してくれていたわけで…あれ、ポロック本人がどうなったか言及されてたっけ?(ド忘れ)

同日先に見た「ブルー・バイユー」とはまた違った見応えがあってどちらも本当に良かった。サスペンスやミステリー好きな方には是非今作をおすすめしたい!みんな観てね!
YOK

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