タスマニア

ノーカントリーのタスマニアのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.5
2021年50本目。

クライム系の映画では個人的には大傑作!
限りなく 4.0 に近い 3.5 のスコア。

メキシコや麻薬が絡むクライムものは結構えげつない展開になることが多く、ただただ恐ろしいものが多い印象だけど、この映画はそれ以上に "余白" がある映画だなぁって感じた。
「まじ?」って思うような展開をあっさり消化したかと思うと、「え?」って思うような幕切れで消化不良にさせてくる。
アカデミー賞を受賞するのも頷けるような奥行きのある映画だと思った。
見る前は結構舐めてた笑

ハビエル・バルデムのサムネの顔芸・・・というかインパクトで、見ることを決めたような感じだから。
この人、本当に怪演。シガーのキャラクターをこんなに強烈にしたのは間違いなく彼の顔芸だわ笑
本当に不気味で、今まで遭遇したことない異次元の世界の人間像。

シガーが持った独自の世界や哲学やルールが、常人では理解できないが故に、次の展開も全然読めなかった。
展開的に「この人は殺されない」「この人は殺される」が通用しない怖さ。
結構ずっとドキドキ、ハラハラしていた。映画でこんなにヒヤヒヤしたのは久しぶりかも。

トミ・リー・ジョーンズ、ジョシュ・ブローリン、ウディ・ハレルソンと豪華なキャストだし、それぞれに魅力的なキャラクター像であったけど
それら全部を "フリ" にしてしまうようなシガー映画だった。
ドアの錠を吹き飛ばすあの武器と大きい筒のサイレンサーも特徴的で、あのイメージが頭から離れない。

個人的歴代ベスト級ヴィランの誕生だわ。

「ノーカントリー」って原題は "No Country For Old Men" で「老人たちの国はない」なんだな。
原題を見て初めてしっくりきた部分がある。
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