よう

バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版のようのレビュー・感想・評価

2.0
ドラマのほうは未見。
原案の小説は既読。長編ではいちばん好きかもっていう『バスカヴィル家の犬』。『緋色の研究』かこれって感じ。


魔犬というモチーフは出てくるものの、事件そのものはまるで原案とは違う。
「バスカヴィル家の犬」と銘打って大丈夫なのかなって心配になるほど。
このドラマってそういう感じだったのかな。
映画が作られるぐらいだから、人気はあったんだろうけど。


ちょいちょい引っかかりを覚えながらの鑑賞。
離島で資産家の御屋敷……うーん、あるかも。でも、旦那様は東京……まあ、あるやも。知らんけど。
その離島にキャバクラ……ん? いや、あるかもしれん。
「目でわかった」……え? ……え?
なぜ車いすなのかは最後に提示され……ない。

ただツッコミどころの指摘がしたいわけではなくて、事件とその真相を楽しむ上で邪魔になるようなノイズは極力なくしてくださいよってこと。


画的にもちょっと。
魔犬の見せ方が、あの真相なら仕方ないとも思うのだけど、もうちょい怖がらせるようなショットなかったのかなあ。
魔犬のトリックが今どきなものになってて、それはそれでなんかガッカリでもある。犬に見えるかなあ……?


キャスティングについても、あの人が何も関わってないわけないじゃん。
あの人(置手紙残す人ね)、他のフジテレビ系ドラマの映画版でもこういうポジションをやってて、公開時期もそんなに離れてないから、もう少しキャスティングを考えてもいいのに。


幕引きの仕方にはさすがに驚いた。
まあ、そこはいいっちゃいいけど、「最後は家族で……」的なことをいいことのように見るのは今どきなバランスとしてはしっくり来ない。


総じて、今この話を、原案をだいぶ変えてまで、日本版でやる意義は何だったんだろう。

個人的には、原案の話のほうがまだ今に通ずると思う。
(うっすら原作のネタバレにつながるけど)犬と女性を利用した奴が痛い目に遭って終わるから。

シャーロック・ホームズがちゃんと好きな人が関わって作られたのかどうか疑いたくなるレベル。
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