記録。
はじめての活弁!
令和の時代に”活弁付き新作無声映画”として制作された珍しい一本。こんな機会二度と無いかもと思い、活弁公演版に参戦してきました!
まずはじめに【活弁】とは…?
その昔 映画には、今では当たり前にある”音”がありませんでした。その一方で、映画(活動写真)に合わせてリアルタイムにセリフをあて 解説をする活動写真弁士という方々の存在がありました。当時の観客は弁士の語りと生演奏付きで無声映画を楽しんでいたのです。
活弁とはこのような上映スタイル、あるいは活動写真弁士そのものを指します。映画『カツベン!』の題材でもありますね(観てないけどw)
さてこの映画、新作なのにマジで音がついてません。完全サイレントです。
ですが、日本に約15人しかいないプロ弁士として活躍する大森くみこの軽妙かつ耳心地の良い語りと、ピアニスト天宮遥のこれまた美しい音色の生演奏、そして我々観客の拍手や笑い声で初めて完成するという超絶ライブ感!
こ、これは…めちゃくちゃ楽しい!!
映画の内容としては、
世界一のコメディエンヌを夢見るピザ屋バイトのジャム(辻凪子)が、千年に一度の嵐に吹っ飛ばされて辿り着いたピザの惑星を救うために宇宙を旅するという、荒唐無稽なSFコメディで、かなり子供向け。
とはいえ、この奇天烈(褒めてる)な世界観に無理なく誘う弁士の技に脱帽。所々クラシックな名画へのオマージュも感じられ、果ては普通の映画では絶対に味わえないとんでもないサプライズまで!
クラファンで資金を募った低予算映画だけあって手作り感が半端じゃないですが、塚地武雅や間寛平といったビッグネームも出演、何より主演と共に監督・脚本も務めた辻凪子の想いが込められた作品でした。
ちなみに、予め音声が吹き込まれた活弁吹き込み版は公演版とは演出が異なるそう。
でもこれは活弁公演版で観て良かったな。
(スコアはその分大いに加点してます)
昔の人ってこんな楽しい環境で映画観てたんだな〜って羨ましくなると共に、二度と無い(生モノですからね)素敵な時間を過ごせた事に感謝!
※上映後のトークショーも楽しかったです。