あすとろ

劇場版 呪術廻戦 0のあすとろのレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
4.3
「愛」という呪いは何を救うのか

※ストーリーはfilmarksに記載されているため省略させて頂きます。
Twitterでも感想を投稿しています→https://twitter.com/a_stro_07/status/1484130924908273666?s=20&t=PfGigDK0BTmS3jt2EBRbGg

原作、TV版など予備知識無しで鑑賞しましたが正直、鬼滅の刃より好きでしたね…

所謂、エピソード0となる位置づけの本作ですがそれが故にすごく観やすかったですね!
公式や原作ファンは「純愛作品」と謳っていますが、個人的には普遍的な「青春物語」や主人公が“主人公”として目覚める「成長譚」として観ても十二分に楽しめた一本でした。
自分の「呪い」という能力のせいで他者を傷つけてしまう、それが故に自分から周りとの交流をやめて殻の中に閉じ籠ってしまった主人公が呪術高専に転校し、次第に自分の持っている呪いという「能力」で同級生のみんなを救い、認められ、逆に悩むみんなを認め共に成長しながら歩む青春というのが約1時間40分で上手く纏められていて、しかも『鬼滅の刃』ほど説明説明しておらずノイズにも感じない。
しかも各キャラの人間としてのウィークポイントがしっかり各個人の「強み」として描かれているのも「個性」としてのメタファーとして活きていて良かったですねぇ…
そこがより青春物語とマッチしていて最高でした。

個人的にヒロアカWHMだったりここ最近の東宝配給のアニメ作品は「無個性という個性」の描き方が見事だなぁ~と感じていて、個性だったり自分らしさを求められるこの時代に周りに流される訳ではないけどしっかり「無色という色味」を感じるキャラクター造形だったり、描き方が上手いな~と本作を観て強く感じました。
「無個性という個性」がしっかり軸としてあるからこそ、色味の強いキャラクターと交わらせてもくどく無く、成長を描くてもしっかり映える。
凄く伝わりずらいですが、本当に見事でした。

原作を知らなくても本作から『呪術廻戦』に入るにしては申し分ない作品だと感じた作品でした!
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