あすとろ

エターナルズのあすとろのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
4.8
我々の信じる神は何を信じ、何を愛するのか?

※ストーリーはFilmarksに記載されているため省略させて頂きます。
Twitterでも感想を投稿しています→https://twitter.com/a_stro_07/status/1456484411545776133?s=21

『ノマドランド』で名を轟かせた新進気鋭の監督クロエ・ジャオ×世界観がグッと広がる神話ヒーロー、エターナルズ。
そこまで期待値は高くなかったですがものの見事に裏切られました…
『ブラックウィドウ』『シャンチー』よりはとっつき難い作品ですが、めちゃくちゃ好きな作品になりました!

しっかり過去のシリーズとはまた異なったスーパーパワーアクションを魅せてくれた上に変にしっとりし過ぎず、程よくコメディも入れつつロマンスや神々の力を持つ者達の話ですが人間らしい葛藤なんかも折り込まれていて寧ろ「よく2時間40分の尺で収まったな」と思えるほど。
どうしてもノマドランドの印象が強かったので「のっぺりとした展開とアクションで『マイティソー』のような暗めな話になるのでは…?」と思ったりしてましたが、そんな事はなく各キャラクターのアクション含めた見所や、心情を細かく丁寧に描き落ち着いたトーンではあるもののしっかり見応えのある美しい話に仕上がっていました。
題材が題材なだけにDCのようにヒーローの“神話化”に近いものになってしまうのではないか?と思いましたが全くそんな事はなく、人間のように悩んで、もがいて、苦しみながらも愛してきた人類のために立ち上がる。
もっとも美しくて人間臭いヒーロー譚で素晴らしかったです。

また、本作もIMAX上映がありますがIMAX映像の使い方が本当に見事でした。
画角が変わる事によって「世界観と感覚の拡大」を体験する事ができます!
アクションやバトルシーンでは1.9:1の比率でダイナミックに、
セレスティアルズとの対話シーンや幾何学的でありながら有機的なエターナルズの世界観を映すシーンは1.43:1の比率に変わりまるで、自分たちもエターナルズのキャラクターと同じ体験をしているような感覚に陥れること間違いなし。
またクロエジャオ監督の神(太陽)を映した映像も相まって、壮大で美しい1本としてまとまっています。

幅広いジャンルの作品を作りながらもしっかり現代社会に通用するようアップデートし続けているマーベルが送る壮大な「愛」の物語。
是非映画館でご体験あれ!オススメです!
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