あすとろ

=LOVE Today is your Trigger THE MOVIEのあすとろのレビュー・感想・評価

4.0
アイドルを「アイドル」たらしめる物は何か?

2017年4月29日に指原莉乃のプロデュースにより結成されたアイドルグループ=LOVE。
そんな=LOVEがさらに大きく飛躍するターニングポイントとなった、全国ツアー「Today is your Trigger」追加公演の日本武道館でのライブパフォーマンスが初の映画化!…というストーリー

※Twitter(現X)でも感想を投稿しています→https://x.com/a_stro_07/status/1741148212864643501?s=46&t=CEktiirL_f3nm7KIqiVGEA

公開当時、所謂「アイドル映画」が多く正直舐めていました。(ムビナナやBE:the ONEなど)
ただ、本作以上に“アイドル”の本質を触れている作品は無いのでは無いかと感じました。

(多少無理はあるものの)「四季」をテーマに語られる=LOVEメンバーへのインタビューと各メンバーが抱える想いがライブ映像と呼応する。
これは凄いですよ。

正直冒頭で答えは出ているような物なのですが、ライブ会場は宇宙でありブラックホールであるという表現が見事だと思いました。
演者自身が飲み込めば、「観客」という惑星を巻き込み「宇宙」という“一つ”を作ることが出来るが、「観客」という惑星に飲み込まれればブラックホールになりかねない、飽和しかねないという「美しくもあり危うさもある場」であることを端的に表現している言葉だと感じました。
生半可では飲まれ、極めなければファンは着いてこない。そんな世界で生きていないと出てこない表現に感じれました。

ですが、この作品では「ファンという惑星が光を差すからこそ“=LOVE”は輝く」というメッセージも秘めていると感じました。
ライブ会場はブラックホールである、そんなブラックホールをペンライトや声援で輝かせるのは我々ファンだけです。
ファンが道標を照らすことで、アイドル達は輝き道を踏み外す事なく歩みを進めれる訳です。
2023年公開の「アイドル映画」に共通するようにファンとアイドル達によるある種の「共存関係」をしっかり描きつつ、ムビナナのような「ファン達が道標を指し示す」という言動を肯定しつつ、最大限の感謝を体現する1本に感じられました。
=LOVE達からの「応援してくれてありがとう」とファン達からの「応援させてくれてありがとう」がこの1本にまとまっていると感じました。

あと、余談ですがこの作品を観たら大場花奈さんに感情移入しちゃうって…
あまりにも他のメンバーのバックボーンが語られてない問題があるけど「元々引きこもりだったけどアイドルが好きでオーディションに応募した」って話聞いたら、そりゃ応援しちゃうでしょ…
もう15分くらい尺伸ばして各メンバーのバックボーンを掘り下げても良いなとも感じました。

調べたら2024の3月に円盤が出るみたいで。
正直ScreenXで観た自分としては「通常版じゃ物足りないな…」とは思いますが、彼女達の「想い」がビシバシと伝わってくるライブ演出や歌は大必見。
是非ファンの方も、初見さんでも観て楽しめる、「=LOVE」入門としても、復習としても楽しめる1本でした。
あすとろ

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