あすとろ

ザ・クリエイター/創造者のあすとろのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.0
ただの「近未来SF」か?それとも黙示録か?

※ストーリーはFilmarksに記載されているため、省略させていただきます。

確実に「ローグワン」に代わるギャレス・エドワーズ監督の代表作となる1本。
またAIなどの大きいテーマを描きつつも、最終的にはとてもミニマムで、誰もに刺さる結末になるのも見事。
「SFだからな…」でスルーするのは勿体無い!

まず世界観とビジュアルがあまりにも洗練されていて美しい。
SFというだけあって、ファーストインプレッション的に取っ付きにくそうな作品に感じたり、どこか絵空事のように思う方も多いでしょう。
実際現実には無いようなテクノロジーだったり、そんな世界観に入り込むには少し咀嚼が必要な専門用語が多く出てきます。
ですが一目で「あ、そういう感じね」と理解できるようなビジュアルのロボットや機械が出てくるため、用語としては難しくてもイコールで繋げやすい、とても親切な作りになっていると感じました。
ジョシュアとアルフィーの2人を軸に話を進める事で登場するキャラは多いものの、そこまで置いてきぼりになるような事も感じず比較的観やすいなとも思いました。

そして本作の描くテーマが物凄く普遍的ながら、大切な内容を描いています。
種別、偏見、慈愛、家族etc...
アメリカやニューアジアなど色々な国を行ったり来たりして描き、AIやシンギュラリティなどのテーマを使い「AIが人間を超えてしまったら?」という警告のような作品でありながら、人種差別、他国干渉、武力侵攻などもメタファーとして描いています。
ギャレス・エドワーズ監督自身イギリス出身ですが、猛烈なまでのアメリカ批判作品にも捉えれて、それを天下のディズニー配給で世界に発信するという…
監督の作家性も輝いてるなと感じた1本でした。

IMAXだけでなく4DXやScreenXDolbyCinemaでも上映されるので是非映画館で。
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