あすとろ

モービウスのあすとろのレビュー・感想・評価

モービウス(2022年製作の映画)
3.2
Time to Fly...

※ストーリーはFilmarksに記載されてるため省略させていただきます。
Twitterでも感想を投稿しています→https://twitter.com/a_stro_07/status/1523301725817372676?s=21&t=al6JQo5phJ59-UTSBWLD1g

実は公開初日に観てたんですが、同日に観た『TITANE』の方が圧倒的にインパクトが強かった&スパイダーマンNWH直後の作品だったので否が応でも期待しちゃってたのですが、それが故に「は?つまんな!」となっていた訳です。
そんで終映前にムビチケ消費がてら観直したら何とびっくり、意外と面白かったんですよ

ただ正直腑に落ちない部分は少なくないです。
匂わせまくりの予告編、「2000年代か?」というようなスロー多発のアクション、秘密にしてる割にはセキュリティめっちゃガバい研究室、脈略無く発動するコウモリかめはめ波etc...
アクションに関しては、過去のSSUシリーズで「シンビオート」という設定を生かした反重力的アクションや触手を生かした戦闘シーンなど真新しさは無いにしても、視覚的に観てて楽しいアクションばかりだったのにどうしたんすか、SONYさん!目ェ覚ましてくださいよ…!(HiGH&LOWコブラ)
本当ちょっとその辺を整えれば評価は全然違ったかなと感じました。

割と言いたいこと言いましたがとはいえこの映画結構面白かった部分もちょこちょこあり、まず過去作の履修ありきで進むユニバース作品が多くなってる中、特に予習もいらず、その上割と映画だけで話が完結してるのでこの作品で追わなくてもさほど気持ち悪さを感じないところはポップコーンムービーとして良い点数をあげてもいいんじゃないかなと思います。(ポスクレで次回以降の布石はあるけど)
またホラー的演出は作品の温度感とマッチしてましたし、超感覚シーンもしっかり映画館映えするように作られていて結構良かったです。

またマイケルとマイロの二人の対比が良かった…!
命を救う立場の人間が命を奪う側の立場になりその衝動を「理性」で封じ込めようとするマイケル
虐げられ一時は死にかけたものの、力を手に入れ衝動に「肉体」を委ね思うがままに命を奪うマイロ
マルティーヌに恋の「愛情」を捧げるマイケル
マイケルに友としての「愛情」を捧げるマイロ
そもそもこの「モービウス」という設定自体が人間とダークヒーローの二面性、表裏を表してますからこの2人がそれを体現しているのも良かったです。
また血液を飲まなければ死んでしまう設定に「青色」の人工血液と「赤色」の血液、どちらを飲むのか?みたいなのを組み込んだのは最高でした。
「もろマトリックスじゃん!」と笑いましたね笑
でもそれがかえって良くて「青」を選べば己の真実、真の力から目を背けたまま日常を過ごす、「赤」を選べば己の真実に気づき力を手に入れる。
そしてレッドを飲んで主人公が覚醒する、って流れもマトリックス的で楽しかったです。

ある種サプライズに飢えた我々に強烈な右ストレートを喰らわせるようで、しっかり100点中63点みたいな微妙な感じで終わるめっちゃ特殊な映画でしたがボロカスに酷評するほどではなくね?と感じた作品でした。
友達とやデートでオススメな作品です
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