さうすぽー

シン・仮面ライダーのさうすぽーのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
2.2
自己満足点 42点

率直に言って、今作は無理でした。
「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」等、昔からの人気コンテンツのリブート作品を庵野秀明が手掛ける仮面ライダー作品。
自分はどちらも好きでしたが、今回は微妙な要素が多いです。


自分は平成ライダーを観ており、「クウガ」や「アギト」を観ていた世代。
今回の初代の仮面ライダーは主人公の本郷猛と2号の一文字隼人、怪人がショッカーという事以外はそんなに知識が無いです。

好きだったのは、
優しい性格の本郷猛がショッカーを倒す時に殺人を行う行為の葛藤が良かったし、暴力を振るう時に流血が出る事で命を奪う残酷さが表現出来ていて良かったし、自分が好きだった「仮面ライダークウガ」の要素が観れて良かったです。

また、実写撮影のロケーションが非常に美しいです。
工業地帯の背景や線路、電柱を背景に固定カメラで映す背景が美しく、しばしばエヴァンゲリオンらしさを彷彿とさせられました。

あと現在発表されているキャストに関しては、ヒロインの浜辺美波や怪人役の西野七瀬のビジュアルが様になっていました。


何故ダメだったか。
一番はアクションシーンです。
あまりにもCGに頼り過ぎている気がします。
仮面ライダーのアクションは実写でやるからこそ凄く格好良く見えるのに、安っぽいCGばっかりでやってしまったが故にかなり滑稽に感じてシリアスな場面で笑いそうになってしまいました。


あと本郷猛についてですが、確かに殺しに対しての葛藤は良かったものの、テーマに沿った概念のように見えてしまっていて人間味を感じない所に引っ掛かりを覚えます。
「シン・ウルトラマン」でも主人公は人間ぽくない所が多々見受けましたが、ウルトラマンという人間ではない生命体だったために受け入れられました。
しかし、今作の主人公は人間です。だからこそ人間らしさを出した方が良かったと思います。


あと、怪人を多く出しすぎたからかテーマや内容も詰め込み過ぎです。
一つのテーマに絞ればそこをもっと深く描けてたと思うのですが、いかんせん2時間に纏めるとごちゃごちゃしてしまいます。


庵野秀明は個人的に好き嫌いが分かれますが、残念ながら嫌いな方の庵野秀明作品でした。