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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のQvQのレビュー・感想・評価

4.0
劇場で観るべき映画をどれだけ見逃してきたのか…!もう後悔はしたくないと思い観に行ったのですが、これはもう、その期待を裏切らない以上の音楽ドキュメンタリーだったと思います。

音楽が素晴らしいものだってことは日々感じて過ごしているはずなんだけど、また今日も、この映画によって改めてその力を思い知らされた感じでした。黒人にとってこのフェスがどんなものだったのか。ここに集ったミュージシャン、観客がこの時音楽によって感じたものは、癒し以上に自分たちの尊厳や未来につながる希望のようなものだったことが良くわかります。時代背景もきちんとわかるようになっているから、フェスを開催する意味も理解できたし、色々な人たちの証言を聞いて、参加した一人一人にとってどれだけかけがえのない時間だったのかも良くわかりました。

本当に素晴らしい演奏の数々。なんでだろう?アレサのドキュメンタリーの時はゴスペルが響かなくて私これはダメなんじゃないかと思ったのに、今日はそのゴスペルあたりで泣きそうでした。メイヴィスもマヘリア・ジャクソンも凄かった!
大好きなBB、ニーナシモン、スライ、etc…だけじゃなく、たくさんのどの演奏も魂がこもってる感じがして観応えがありました。それは黒人である自分たちがこれまで感じてきた苦しみや悲しみや辛さを、同じたくさんの黒人の観衆の前で共有し、そしてその先に進んでいく希望となるように演奏したからだと思う。

そしてこうして50年も経って、いま様々な理由で世界中で苦しんでいる現代の普通の人々をも力づけるものになった(少なくとも私は。いやたぶん世界中でそういう人いっぱいいます!)というのも感慨深い気がしました。音楽の素晴らしさや音楽の持つ力を示してくれたこの映画。こういうものがまだ眠っていたという驚きと喜びで一杯になれました。

この映像を掘り起こして、映画化してくれてありがとうー\(^^)/♪
まだの方で事情の許す方はぜひ劇場へ!
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