母親(尾野真千子）のあごにある大きなほくろをじっと見つめるあみ子。
兄の十円ハゲを見せてくれとねだるあみ子。
あみ子の行動は悪気はないが、常識人にとってはかなり無神経に映る。
だから周りの人間にとっては災難である。
何が同じで何がちがうのか。
あみ子は、皆と何がちがうのか。
そんなことをずっと考えながら、この映画の時間を過ごした。
同じなら何がよくて、ちがったら何が困るのか。
たぶん、同じならめんどくさくなくて、ちがったら、めんどくさいのだ。
人はめんどくさいことが嫌い。
僕も嫌いだ。でもめんどくささの中に、もしかしたら人が人を理解する真実があるのかもしれない。
世界は広い。民族も多い。多様性。差異性。価値観の相違。
今日的な課題を、あみ子の日常を通して、考えてしまった。
何もわからないだろうと思っても、孤独は感じる。
痛いほど感じる。
あみ子のつらさは、多くの人にはわからない。
あみ子自身もわからないのだ。でも辛い。孤独だ。
森井勇佑初監督作品。よかったです。
とてもていねいな映像を作り上げる監督です。
石井裕也監督との共通性をすごく感じました。
多くの方におすすめする映画です。
