ガラスの玉ねぎか〜、上手い表現だなあ。
それは人と人との間を隔てた見えない壁のことだったり、心を閉ざすための透明なシェルターであったり。
どちらにせよ、距離感を生むもの。
ウソでの裏切りで他者を排他し、ウソをそのまま貫くことで他者を拒絶し、真実に覆い被さって真実を屈折させる。
透明で多層的で、剥いても剥いても真実には辿り着かない。
私も常々、心を蝋で固めてしまっていると思う時があるけど、それも似たようことだろな。
ガラスは割れる、蝋は溶ける。壁はいずれ壊れる。
ラスト、みんなの中で見えない壁が瓦解するが如くガラスを割っていくシーンは、こっちもスカッとした。
このシリーズのダニクレは007の気配を感じさせず、すごい。ちゃんと役者だ。探偵としてハマっている。
