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最後まで行くのcocacorgiのネタバレレビュー・内容・結末

最後まで行く(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初からずっと誰にも肩入れさせてくれないので、誰かが落ちに落ちる様を微塵の気まずさも感じず落ち着いて見られた。
中の人たちのあちゃーって感じを、こっちもあちゃーってシンクロするタイプの人なので、あちゃーが起きるとわりと途中から見てるのあちゃーなんだけど、そんなん一切なく適度な距離感で、言ってしまえば所詮は他人事の精神で最後まで行けた。体感としてはまあ妥当な時間でしたけど。
変に同情もせず共感もせずフラットに、まあ最悪どうなっても良い、くらいの構えで見続けてやっと棺桶のシーンからこれもう笑って良いやつだって気付いたので、リ・アクションの岡田、顔芸の綾野、による高水準のコメディをしっかり最後まで堪能した。目も当てられないくらい悲惨にも陰惨にもできる話でこの爽やかさ、不快感のギリギリを攻めてたまに少しハミ出る、けど見た後に居心地の悪さは残さないスッキリさ、自分の知ってる世界で言えばイグレシアに近いタイプのオゲレツな笑い、だから好きなんだろな。
綾野剛ファーストインプレッションがタイラントすぎて服装もそうだし歩き方もそうだし、と思ったらやってることもタイラントだし、戸愚呂と佐藤さんとタイラントみたいなもんを人間の身体に落とし込める綾野剛も好きなんだわと分かった。
最後のあの2人の表情はもはやテッパンの終着点でそれはそれ相応に素晴らしいお顔とは思いつつ、もう終わりかな〜と思ってからがすんごい長い。その執念としつこさが綾野タイラントである所以でもあるし、やっぱりあの狂気のご尊顔に至るために必要な手順だし、あそこまでクドさが無いと岡田もリミットブレイクしないだろうけど、長い。間違ったとこで気を抜いてしまった。なので最後は感動よりも呆れた気持ちで、個人的に気持ちの良いとこでまとまってくれてたらもっと好きだったなーってとこだけ残念、それ以外は最高。
ここんとこ淡々とプロフェッショナルな岡田くんの焦りのオーバーリアクションのギャップと、いつでも静かに狂ってる綾野剛が静かに狂ってる安心感、二転しても三転してもドン底で、どうしようもなさ過ぎると笑うしかない状況、ずっとニヤニヤが止まらない変な中毒性がある作品。
Go 岡田 Go 最後までGo
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