てっちゃん

ビヨンド 4K レストア版のてっちゃんのレビュー・感想・評価

ビヨンド 4K レストア版(1981年製作の映画)
3.7
ゴアと言えばこのお方の名前が出るくらいのゴア界の帝王ルチオフルチ。
なんだかブルータルデスメタル重鎮バンドにいそうなお名前。
それが帝王ルチオフルチ。
そんな帝王の御作を初鑑賞。

感じたのは、”如何にしてゴアを美しく撮るのか”ってところ。
今までは、ゴアって汚いグロをどう撮るのかってところが重要なんじゃい!と思っていたけど、帝王はそんな子供騙しじゃない。

自分の芸術を信じているし、自分の実力を知っているし、自分の仕事に異常なプライドを持っている。
そんな帝王の熱量がぐいぐいと伝わってきた。
如何にして美しく破壊させるのか、その破壊を残虐性だけではなく美しくて恐ろしいものにするのか。流血シーンですら美しいと思ってしまう。
特に目玉へのこだわりは、すごいのだろう。
白目はもちろん、串刺しとか、飛び出るとかね。
このような帝王の美学が伝わってくる。

物語性を求めたら駄目よと帝王は言われているようだけど、本作はわりと物語性もあって観やすい部類らしい。
それでも、気になるもやもやが残るってのは変わらずで、これって結局どういうことやったんや?と、頭の中に湧き上がって解消されることはなく、もやもやが残ります。
故に物語性を求める方には物足りないかも。

印象に残ったシーンをちらほら。

・大量の蜘蛛さんが顔面を喰らい尽くすシーンはきちい、なんかきいきい鳴いてるし。そもそも蜘蛛って鳴くのかな。そんことは気にしないのが帝王。

・汚ねえ風呂の中によう手入れたな。絶対突っ込んだらだめなやつでしょ。押すなよ、押すなよですよね。

・ディッキー頑張れ!かわいい!頑張れ!えらいぞ!、って、ええ!?、、まじすかディッキーさん、、、。

・頭狙わんかい!!何回やっとるんや!学びなさいな!ああ!もう!、、、自身のカルシウム不足が心配になります。

まだまだ帝王の世界観を知る必要があるのは間違いないと確信した次第の作品でした。
てっちゃん

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