kazu1961

グレート・インディアン・キッチンのkazu1961のレビュー・感想・評価

3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-274
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋観る人によって自分に置き換えたり、時代に置き換えたり、国を比較したり色んな見方があるんでしょうね。インドにおける伝統的な家父長制とミソジニー(女性嫌悪)を描いた作品ですが、日本でも私が子供の頃の昭和は家父長制的な家庭が多かったですし、今の時代も男女同権と言いながらも日本も全然周回遅れなのが実態でしょう。。。結局家事を誰がやるかということよりもその根底にミソジニーがあるかないかが大きな問題なんだろうなと思います。あと、家事を担った人に感謝の気持ちがあるかどうかも大切ですよね。。。本作の男性陣からは全くそんなことは微塵も感じられなかったですから。。。

🖋そんなインドの伝統的な家父長制とミソジニーを描いた本作、とにかく料理・洗濯・掃除の日常を繰り返し繰り返し、ドキュメンタリータッチで描いているところに凄さを感じます。なので多くの人の共感が広がったんでしょうね。

🖋キッチンに縛り付けられ、夫の性欲の吐口になり。。。世界中でこんな思いをしている女性はきっと多くいるんでしょうね。そんなことへの大きな提言になれば本作の意義も大きくなるかと。。。

🖋もう一つ、伝統的ヒンドゥー社会での“穢れ”観も凄いものがありました。。。これらの宗教観に触れるところがあったため映画の配給会社が手を引いて、配信になった経緯があるそうです。ジヨー監督は、「彼女の苦悩は全インド人女性のものだ」と、本作のテーマの普遍性を語っていますが、この配信によってインド国内外から大きな反響があったんですね。

😨Story:(参考: 公式サイト)
妻が家事から解放されるのは、 自身が「穢れ」となる日だけだった。 インド南西部ケーララ州で、高位カーストの男女がお見合いで結婚する。中東育ちでモダンな生活様式に馴染んだ妻は、夫の住む由緒ある邸宅に入り、姑に導かれて家事のあれこれを学んでいくが、ほどなく姑は嫁いだ娘の出産準備のため家を離れる。彼女は一人で家事全般を受け持つことになる。さらに、早朝からの家事労働で消耗していても、夜には夫の求める身勝手なセックスを拒むことができない。そうした重荷から逃れられるのは、皮肉にも生理の期間だけ。しかしそれは、彼女が穢れた存在と見なされる数日間でもあった。

🔸Database🔸
・邦題 :『グレート・インディアン・キッチン』
・原題 :『The Great Indian Kitchen』
・製作国 : インド
・初公開 : 2021
・日本公開: 2022/01/21
・上映時間 : 100分
・受賞 : ※※※
・監督 : ジヨー・ベービ
・脚本 : ジヨー・ベービ
・原作 : ※※※
・撮影 : サール・K・トーマス
・音楽 : スラージ・S・クルップ
・出演 : ニミシャ・サジャヤン、スラ―ジ・ヴェニャーラムード、T・スレーシュ・バーブ、アジタ・V・M、ラーマデーヴィ、カバニ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
ある一組の夫婦の姿を通して、インドの中流階級に根強く残る家父長制やミソジミー(女性嫌悪、女性蔑視)を鋭く描き、インド本国でも女性観客の支持を得て、口コミで話題と評判が広がった一作。インド、ケーララ州北部のカリカットの町で、高位カーストの男女がお見合いで結婚する。夫は由緒ある家柄の出身で、伝統的な邸宅に暮らしている。一方、中東育ちで教育もあり、モダンな生活様式になじんだ妻は、結婚して夫とその両親とが同居する家で暮らしはじめるが、台所と寝室で男たちに奉仕するだけの生活に疑問を持ち始める。
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