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スターダストのyutaのレビュー・感想・評価

スターダスト(2020年製作の映画)
4.0
グラムロックの先駆者として知られる英国出身のロックミュージシャンのデヴィッド・ボウイさんが、1972年に彼の代表作であるアルバム『ジギー・スターダスト』を発表する前年に行ったアメリカでのプロモーション活動を中心に、最も有名な別人格である「ジギー・スターダスト」がいかにして誕生したかを描いた伝記的作品です。

デヴィッド・ボウイさんを演ずるのは、俳優兼ミュージシャンのジョニー・フリンさん。

『スペイス・オディティ』(1969年)で人気を博し、1971年に最新アルバムである『世界を売った男』をリリースするにあたり、デヴィッド(ジョニー・フリンさん)はアメリカでのプロモーションを計画する。
何とか渡米することになったものの、事務所の手違いで観光ビザだったため、まともなプロモーション活動が出来ない事態に。
アメリカではほぼ無名のデヴィッドであったが、彼の才能にいち早く気付いていたマーキュリー・レコードのパブリシスト、ロン・オバーマン(マーク・マロンさん)とたった二人で全米を回るのだったが・・・。


1971年当時、デヴィッド・ボウイさんの長髪にベレー帽を被り、女装みたいな衣装や、奇妙な言動などは、一般の人達に理解されるには時代が追い付いていなかったんだと思いました。本作中でも、空港の係員にオカマの歌手呼ばわりされたり、ホモセクシャルかと疑われたり散々な目に遭っていて気の毒でした。

イギリスでそこそこ人気があったデヴィドさんが、アメリカに渡ったところ、自分の存在がほぼ無名で、世間の人達に全く理解されていない現実に突き当たり、24歳だった彼が苦悩と葛藤を経て、彼の別人格である「ジギー・スターダスト」へと変貌を遂げる課程がしっかり描かれいたのではないかと思います。
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