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モガディシュ 脱出までの14日間のtakumiのレビュー・感想・評価

4.5
内戦が激化した1990年のソマリアを舞台に、外国大使館狩りから逃れて来た北朝鮮大使館員たちととともに韓国大使館員たちが決死の脱出を図る…

実話ベース作品でともすれば無茶苦茶ヘビーな内容になりそうな所を、お得意の激烈カーチェイスや南北間の切ない人間ドラマなども有りのエンタメに昇華しててさすがの韓国映画、傑作でした。

前半は南北関係や当時のアフリカ情勢をコミカルなシーンもありで描きつつ、中盤内紛が激化してからのヘビーな暴動や後半のスゴすぎカーチェイス、ラストの切ない別れまで見どころ満載。

中でも終盤のカーチェイスは歴史に名を刻むレベルの大傑作。本やドア、即席土嚢で防弾仕様にしたベンツでモガディシュを駆け巡る、手作り感あり過ぎマッドマックス恐怖のデスロード。4台の車を貫くカメラワークや四方八方から撃たれまくる恐怖にハラハラドキドキが止まりませんでした。

全編モロッコでの撮影ということで予算も気合も尋常じゃない暴動シーンやサラッと恐ろしい少年兵描写はいい意味でイヤな雰囲気です。ハリウッド映画並みの大規模な暴動シーンつくれる韓国すげえや。

ラストの別れのシーンはやっぱり泣いちゃうし、食事中の奥様同士のやり取りとか、サラッと心に残るシーンを入れてくるのもまた憎いですね。ドジっ子キャラのチョン・マンシクも良かったです。(白旗!出し方!!!)

異国の地で四面楚歌になっちゃう系映画に新たに名を刻む大傑作でした。この興奮と恐怖と感動は、大画面とサラウンド音を楽しめる映画館で!

追記
パンフレットは薄めですが、当時のアフリカと朝鮮半島をめぐる情勢の解説や製作秘話、レビューなど結構タメになる内容でしたのでぜひ。
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