【過去鑑賞作品 21】
ユダヤ人ピアニスト・シュピルマンがホロコーストのなかを生き延びる壮絶な6年間を描いた作品。実際にホロコーストを経験したロマン・ポランスキーが監督を務める。
——————
シュピルマンの生活が苦しくなっていくのが見ていて非常に辛い一方、道路に寝そべって難を逃れるところなど、どこか抜けたところがあるのが印象深い。ゆえに淡白、だがこの飾らなさが戦争のリアルなのかもしれない。
独軍将校の前でピアノを弾くシーンは感動的というよりも、示唆に富む興味深いシーンとして心に残った。シュピルマンのピアニストとしての矜持がそこから窺えるのは確かだが、ピアノを弾けばもしかしたら相手に救ってもらえるのではという淡い期待がシュピルマンにあったかどうかは意見が分かれそうだ。
ホロコーストを題材にした作品の入り口としては特に勧めやすい一本。