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THE MOLE(ザ・モール)のfunのネタバレレビュー・内容・結末

THE MOLE(ザ・モール)(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしきキノコの世界で癒されるはずが、
お友達のとっさの発案でこの作品を見ることに。
出だしから北朝鮮に潜入するスパイ志望のある男の10年の記録がここからはじまるというナレーション。
最初なんの映画を見ているのか、フィクションなのかドキュメンタリーなのか予備知識のないまま見始めたので少々困惑。
北の虐げられた一般市民の生活や上層部の暮らしぶりなどはどうやらこの監督の一本目とされる作品で撮られていたようで、こちらはさらに一歩踏み込んでいる内容でした。
北に同調している外国人の作った団体に潜入しながら北の怪しい裏の商売というのでしょうか?銃、兵器、薬品、ありとあらゆるものが調達でき、なにものの法にも囚われず北へ望むものを与えさえすれば思い通りにできるというルートがどのようにして確立しているのかを地道に突き止めて行くまでを描いていました。
10年の歳月がかかっていたのでしょうが、
ドキュメントというより、フィクション作品のような気がして、これ本当?これも本当?再現じゃないくて?というくらい鮮明すぎて不思議な感覚に。
スカッドミサイル5000万$とか地対空なんとかが、、、というリストが提示されたり、アフリカの小島を買い上げて、リゾート開発に見せかけて地下に兵器工場を作るとか、、、現実なんだろうけど現実味がない大胆な計画の数々。
銃撃戦や接近戦、捕まって拷問とかは一切なく、やばかったなーというのはなんか安物の探知機でマイクで盗聴してないか調べる!って言った時くらいだったけれども(それもビビビっ!って反応してるのに、レンタカーのキーの電磁波が出てるらしい、で、あっそれか、みたいに解決したり、サルバドール・ダリのようなお髭のいかにも怪しそうなビリオネアが取引を持ちかけてきても身元をきちんと調べなかったり、てびっくりするほどずさんでしたけど)なんだかまったく眠くはなりませんでした。
とにかく日本に向けてよくミサイルが発射されるので、危機感を纏った国の、お金出せばなんでもできるし、ミサイル打ち込むとか核をチラつかせれば世界は無視できないという北の体勢には改めて危機感を感じました。
 
ただ主人公としてのウルリクはなんらかの障害が(本編中ではまったくどこも不自由そうに見えない普通の青年)あるため料理人の仕事を辞めて国からの手当で暮らしており、妻、子供もいるのにスパイの給料は一切出ないのにずーと北に加担している組織の活動を熱心にしているという状況。
仕事ができなくなったから何か自分の存在意義のためにのめり込んでいたのかもしれないけどラストで奥さんにそういう活動をしていて家庭と距離ができてしまったと話していた時に,奥さんがもっと仕事をしてくれたり家族の頼りになることをして欲しかったと言ってるのを聞いて、そのことの方が現実的で映画の内容よりつらく思いました。
家族をほかっておいて、お金も入れず、僕は君が理解できないかもしれないけどすごいことをしてきたんだと言われても、、、。

追記、
この作品出てくる人みんなヤバめなんですが、なかでも私が怖いなーと思ったのは仲介人?案内役のカンさん。
優男的な印象なのに、おもてなし観光で銃を撃てる射撃場へ連れて行ってくれ、
みんなが両手で銃を握りしめて撃って、
わー!わはは!、とかびっくりしたりしてるんだけど、カンさんの番になると、シュッと右手だけ伸ばして反動も感じさせない安定感のある感じでパンパン撃ってたんですよー。
なんか手慣れてそうで、、、地味に怖かったです。
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