塚原直彦

ミラベルと魔法だらけの家の塚原直彦のレビュー・感想・評価

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
3.9
新作ディズニーの舞台は『リメンバー・ミー』のメキシコより更に南下したコロンビア。
初のメガネっ子ヒロインもキュートかつ新鮮で(それもようやくといった辺りだが)どこか漫画的で親近感は大。

花弁一枚一枚まで繊細に作り込まれカラフルに埋め尽くされたお花畑描写や、どう考えても技術的に面倒なヒラヒラと揺れるスカートなど相変わらず映像クオリティは恐ろしいレベル。
そこに売れっ子の天才リン=マニュエル・ミランダの楽曲が加わり、高揚感は最近のディズニーでは随一。
だがこれだけ良曲を揃えてもメインテーマはどこかインパクトには欠け、アナ雪の偉大さを改めて。

後半にやや無理やり(?)移民問題などを絡ませたことにより、テーマがゴチャつき作品の真意が難解になり過ぎた嫌いも。
だがこの作品がもつ圧倒的陽気さ&パワフルさの前ではそれも小さな問題か。
お馴染み同時上映短編の『ツリーから離れて』も濃密な愛情度合いが素晴らしく、2Dアニメーションならではの温かみを再認識。
塚原直彦

塚原直彦