カルダモン

ギルガメッシュ/小さなほうきのカルダモンのレビュー・感想・評価

4.2
『ギルガメッシュ叙事詩を大幅に偽装して縮小したフナー・ラウスの局長のちょっとした歌、またはこの名付け難い小さなほうき』という超めんどくさいタイトルで取っ付きにくさ全開だったけど、短編集vol.1の中では一番好きでした。

舞台装置のような四角い空間が魅力。音響もヘンテコ。ワイヤーをビュンビュンさせる音や得体の知れない装置が作動する音。ゲートボールで使うようなホチキスの針的なモノが地面のあちらこちらに刺さっており、宙空には電線のようなワイヤーが渡してあって、折れ曲がったラケットがぶら下がっている。両側の壁には小窓らしきものが不規則に開いており、奥の方で何かが蠢いている。中央には覗き穴がついたテーブル。そんな中、ピエロのような服を着た赤目の男が三輪車をキコキコ漕いでいる。この男の顔が平べったくてとても怖い。鳥人間を袋詰めにして、棒でぶっ叩き、ハサミで切れ込みを入れたかと思うとあたり一面には植物が生い茂っている。意味を読み解きたいのだけど理解及ばず。