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ホワイトナイツ/白夜のtorakoaのレビュー・感想・評価

ホワイトナイツ/白夜(1985年製作の映画)
2.5
冷戦下、ソ連からアメリカに亡命したバレエダンサーが欧州公演を終え日本公演に向かう途中、計器の故障で飛行機はソ連・シベリアに不時着することとなる。主人公の帰還をプロパガンダに利用したいKGBは、同行者やアメリカ大使館に重症と偽り帰そうとせず、シベリアで細々と暮らしていたアメリカからの亡命者を世話役兼監視役につける。といった話。

ソ連から亡命したバレエダンサーのバリシニコフが、ソ連から亡命したバレエダンサー役。『小さな村の小さなダンサー』の主人公がバレエに目覚めるきっかけとなったのがバリシニコフの映像だったが、その彼が踊る姿が見られる。冒頭のモダンバレエ?が凄い。自身の身体を終始制御しきっている。世話役のタップダンサーとの共演も見どころだろう。
古い作品ゆえ音楽や振付はイマイチで見応えあるとは言い難いものの、ダンサー二人の能力は高い。グレゴリー・ハインズさんは歌唱力も高くて、エンタメ大国凄いなと思う人材。ミュージカル俳優でもあったそうでなるほどなアフリカ系タレ目イケメン。

字幕さぼってるとこ多いわ、わかりづらいわ。吹替なしなのがかなりキツい。話を理解する気が失せてくる。
「ここに?」→「8年前だ」――何を訊ね何を答えてるんだかさっぱりわからない。英語字幕あるだけマシだが。「This is where you lived, huh?」「Eight years ago.」

もしやと思ったら、どうやらまたしても戸田奈津子だった模様。いい加減にしてくれって。字数制限あるにしろ、伝わらないんじゃ翻訳の意味ないだろ。
この人コミュ障とかなのかなー。国語力に難ありだと思うし、日本語のセンス相当おかしいと思う。行間を読むとか言わずもがなとか、そういうのは存在するし勿論アリだと思うんだが、彼女の字幕はそういうのではなく読む側に対する配慮が欠けてる。驚く程に。

「リッチな暮らし セックス・プレー (NYや東京 ローマと同じだ)」???セックス・プレーて何?そんな言葉は出てなさそうなんだが何事?→「Any pleasure, any perversion. Name it. (They're as in New York, Tokyo or Rome.)」
perversion:曲解、こじつけ、悪用、悪化、(性)倒錯 → Name it → セックス・プレー?よくわからん。
「あなたのために すべてを捨てればよかったの?」Was I supposed to give up everything so you could live in Disneyland? ニュアンス結構違ってくるような。

ダニエル・サモヒン(フィギュアスケート)2019-2020シーズンSP使用曲のロシア演歌みたいなのが気になってたので観てみた。ビソツキーという人の歌らしい。元カノを訪ねたら追放されたビソツキーの曲を聴いていた、という場面でかかっていた。バージョン違うけど。“THE HORSES Written and Performed by Vladimir Vysotsky”
それに合わせて踊った場面が多分パケに使われてるポーズ。エンディングでガッツリ流れるのかと思ってたらエンディングは80年代歌謡曲みたいなの(セイユー セイミー)で何だかなー。

設定など興味深いところもあるのだが、音楽のダサさがどうにもいただけない。洋ポルノ映画のBGMみたい。しょうがないのだろうが、自由の象徴にしろこういう流行り廃りが顕著なものにしていなければと残念に思う。
件のビソツキーと劇中劇『ポーギーとベス』の音楽がとても輝いているように感じた。字幕が「ボギー」になってたのでエンドロールまでポーギーとベスなこと気づかなかったけど。
話の展開も古いアメリカ映画らしい感じであんまり。

監督によるコメンタリーとメイキングドキュメンタリー収録(レンタルDVD)。当時を振り返って語る監督と女優二人:イザベラ・ロッセリーニさんとヘレン・ミレンさんがメイン、結構興味深い。
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