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女神の継承のkeeper7のレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
4.0
映画「哭声/コクソン」つながりで國村隼ナレーション起用のトレイラーにテンション爆上がりだった本作。
まず初めに言っておこう。近年観たホラーの中ではダントツに良かった。

最近アジアン・ホラー作品がたて続けに話題をさらっているが正直こちらの期待に応えてくれたものは残念ながらなかった。怖がらせて欲しいのに怖くないという、、とりあえずそれら今夏、アジアン・ホラー群一旦の締めくくりとも言える本作、タイを舞台にした「女神の継承」である。
製作・原案はナ・ホンジン、自身ではラストの解釈が困難だったホンジン氏が監督した「哭声/コクソン」ではあるが大好きな作品だ。監督・脚本は公開時怖すぎると話題になった「心霊写真」(奥菜恵出演のリメイクもある)のバンジョン・ピサヤタナクーン。自分は監督名より、製作がナ・ホンジンだから期待していたが、やはりピサヤタナクーン監督の手腕も大したもの。韓国とタイのタッグの相性の良さが作品から滲みでていた。

本作も映画「呪詛」と同じくフェイクドキュメンタリーの形式をとる作風だが、あちらより本作の方が整合性がとれている。「呪詛」は初めから観客を"怖がらせてやろう"という手法(その割には中盤まで退屈)に対し、本作はあくまで導入部から自然体で本当にドキュメンタリーを観ている様に思わせながら徐々にその様相を不穏にさせながら姿を変えて行く。

出演者も全員素晴らしかったのだが、圧巻だったのは悪霊憑きの少女ミンを演じたナリルヤ(ヤダー)・グルモンコルペチの演技。恐らく作品もお手本にしたであろう傑作映画「エクソシスト」のリーガンにも劣らない体当たり(おっぱいも含めて)の演技でたちまちファンになってしまった。(作中でも綺麗な女優さんだなと思ったがyoutubeの作品PRメッセージ動画の彼女が更に美人すぎてビビった笑)

他の類似作品の様にダれる箇所も無く物語は進み、後半からクライマックスの祈祷シーンは「コクソン」と同じくこちら側を不安にさせながらもまるでロックの様に異常な高揚感を伴っていき、そして祈祷師と悪霊の闘いが始まる、、

「哭悲 THE SADNESS」「呪詛」と来て、(アジア映画ではないが自分の場合、この中に「X」も含める)ことごとく期待を裏切られ、偶然鑑賞順も最後となった期待のホープであり砦であるのが本作だった。
怖さのアプローチは若干違うが、怖さの好みも「呪詛」などより断然「女神の継承」の方が好きだし怖かったし、カッコよかったし、上手い。
あえてマイナスポイントを言うなら恐怖描写にどうしても既視感のあるものが多かった点。もうちょっとだけ何か新しい見せ方、描写が欲しかった。

BluRayが発売されるまで久々にリピートしたくなる作品だった。怖いのにおっぱい成分多めなのも良い。
満足させてくれ、本当に嬉しい。
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