とにかく重厚で、映画の魅力たっぷりのアカデミックな作品！
全編通してものすごいスリルと緊張感に満ちた作劇で、集中力を切らさず鑑賞できた
ベネディクト・カンバーバッチ演じるフィルというキャラクターがこの映画の全てを支配していると言っても過言ではなく、
彼の威圧感、繊細さ、前半と後半で見え方が大きく変わる人間性など、一言では語れない"本物の人間"としての魅力が詰まっていて素晴らしい
彼をとりまくキャラクター(ジョージ、ローズ、ピーター)それぞれの彼に対しての接し方、印象の持ち方も興味深く、彼に対して距離を置く人、精神を病んでいく人、乗り越えていく人という対比になっており物語の多面性を見事に構築している
中盤から始まるフィルとピーターの友情がすごく面白いと感じたのだが、最終盤の展開で全てをひっくり返されたような気持ちになり、視聴後の感触もまた今まで味わったことのない喪失感とカタルシスで、フィルというキャラクターのこの物語に対する影響力をあらためて考えさせられた
