富豪が箔をつけるための映画製作というのはそういうのあるあるな業界を皮肉ってんだと思うがこの富豪のオヤジの描き方がイマイチゆるい。
どこか俗物感薄くて絵画的面白味がない。
主演男優同士の虚栄心や監督の俳優との駆け引きも単純すぎる。
背景というか現場の整然としたミニマルさも浮き世離れしていて非日常な空間が浮いている。
天才女性監督役のペネロペ・クルスも天才にありがちなエキセントリックな行状もあまりなく監督という立場への皮肉もほとんどない。ただバカっぽい。少なくとも自分にはそう見えた。
監督に怒ったバンデラスの仕返しも在り来たりで見え透いている。
素人(観客の大部分)が喜びそうなしかし現実にありそうな裏話的ハプニングやゴシップな業界ネタも絡まず結局大笑いも苦笑もしにくいストーリーに退屈した。
回収できない伏線をいっぱい発散してコメディに徹するようなのがテーマとしては良かったかなと思ったが…。
残念。
