僧・清玄は、稚児の白菊丸と道ならぬ恋の果て心中を図るが、一人生き残ってしまう。それから17年後、高僧となった清玄は、桜姫と出会う。彼女は白菊丸の生まれ変わりなのか…。一方、御家没落のため出家を心に決めた桜姫は、かつて自分を犯した男の子どもを秘かに産み落とし、今でも一夜の甘美な思い出としてその肌が忘れられずにいた。ある日、腕に鐘の刺青のある男、釣鐘権助とめぐり逢う。権助こそ、桜姫の思う相手。再び権助に身を委ねる桜姫。しかしその密会が明るみになり…
大正末年の1926年。新派の劇作家・松崎春孤は、落とした付け文が縁で品子という美しい女と出会う。その後も3度続いた奇妙な出会いを、パトロンの玉脇に打ち明けた松崎は、品子と一夜を共にした部屋…
>>続きを読む甲武境、大菩薩峠で老巡礼を斬った虚無の剣士・机竜之助は、武術試合で宇津木文之丞を倒し、その妻・お浜を奪って江戸へ走る。文之丞の弟・兵馬もそれを追って江戸へ。夫婦仲は悪く、お浜に凶刃を振るっ…
>>続きを読む(C)松竹