タスマニア

やがて海へと届くのタスマニアのレビュー・感想・評価

やがて海へと届く(2022年製作の映画)
3.5
2022年36本目。

個人的に浜辺美波を再発見する映画に感じた。
「君の膵臓をたべたい」で「スーパーヒロイン現れた」と衝撃を受けた。
ただ、今や映画だけではなく地上波のドラマもバラエティにもどんどん出てるのもあり、様々な役柄やキャラクター性を見た結果、「見慣れてしまった」という感覚はあった。いや、勿論、めちゃくちゃ可愛いんだけどね。

この映画はなんか「新しい浜辺美波」をまた見れた気がした。
なんか改めてすごく遠く儚い存在に感じて、やっぱすげーーーって感覚。

映画自体も物語が進む中で描かれている "テーマそのもの" を再発見するような感じで、「あ、そういう映画だったんだ」という体験を得られる。
冒頭のアニメーション演出の意味や、映画のキービジュアルにもなっている尊い二人のシーンの意味も。

喪失感に共感する映画でもあり、喪失感とどう向き合うかという映画でもある。
しかも、喪失は「死」という具体的で分かりやすいイベントだけではないとも言える。
今もう会わなくなった人たちが「今元気にやっているのだろうか?」って、思い出したりする感覚。

「世界の片側しか見えていない」については、これでもかというぐらい非常に丁寧に描いてくれていた。
その一連のシーケンスは絵としての綺麗さも相まってすごく好きだな。
全然作風は違うけど「世界の片側しか見えていない」については、「ブックスマート」という素晴らしい映画でも描かれている側面に感じた。

人の気持ちはその人にしか分からないし、人それぞれに事情がある。
その気持ちを勝手に代弁し、勝手に推し量るのは、場合によっては傲慢だし、大事なものを見失う。
近年の好きな映画のテーマなのかも。

あと、女の子が童歌を歌うシーンがすごくいいんだ。
歌声の伸びやかさもそうだし、その女の子がカメラの前で語るシーンとすごくリンクしてグッと来た。
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