ひこくろ

デューン 砂の惑星PART2のひこくろのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.9
何度も言ってしまって申し訳ないけれど、ドゥニ・ヴィルヌーヴのSF映画はとにかく美しい。
隅々まできっちりと計算されつくした画は、それだけで観る側の心を揺さぶる。
理系の美とでも言いたくなるこだわりとセンスには、今回もやっぱり唸らされた。
特にサンドワーム関連の絵作りには凄まじく力が入っていて、これを見るだけでも一見の価値ありだろう。

ただ、今回は物語がかなりややこしい。
わりとすんなりと観られた前作に対して、今回のは同じ感覚でいるとすぐに置いてけぼりを喰らわされてしまう。
相当に頭をフル回転させながら観ていないと、どんどんわからなくなる。
これから観ようという人は、がっつりと予習して行ったほうが無難だ。

まあ、それでも、各シーンで見応えは十分にある。
すべてを見てしまったポールが決意を固めて演説を始めるところや、誰もがポールを崇拝するなかチュニだけが一人その場を立ち去るシーンなんかは、戦闘シーンでもないのに、背中がゾクゾクと粟立つ感覚を受けた。
前作よりはやや控えめな感じがするものの、相変わらず絵画のように美しいシーンの数々にも心魅かれた。

全体として観るなら、物語のややこしさが足を引っ張ってる感は否めない。
が、それでも観てよかったと思える力があるのは、この映画の持つ大きな魅力なのだろう。
わかってはいたけれど、やっぱり途中で終わってしまう展開ももう慣れた。
続きがあるのかどうかはわからないが、のんびり待とうと思う。
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