若い頃のエルヴィスが可愛い過ぎて私もまんまと夢中になりそう。あんなに無防備でナイーヴなピュアボーイなのに、無自覚にセクシャルだなんて好きに決まってるでしょ。そんな初々しい青年期から脂が乗りまくってギラギラの中年期まで、しっかりと時の流れを感じさせてくれる役作りが素晴らしかった。汗が飛び散って来そうなライブシーンも迫力満点。映画館で観れば良かったな。
エルヴィスがこんなアイドル的人気を誇っていたことも、悪魔の雪だるまに長年搾取されてたことも全然知らなかったけど、トムハンクスってこんな下劣な役やってても、好感度貯金が莫大なので残高に全く影響なくて凄い。ただちょっとデフォルメし過ぎて一人だけ作品のテイストから浮いてた気がする。わざとなんだろうけど、彼をキャラクター化することで数多の悪行が物語に吸収されてしまうような感じがした。「エルヴィスを殺したのはファンの愛だ」とかお前が言うなーーー！！映画としてもっとはっきりくっきり断罪せんかい、と思った。
面白かったけど編集と装飾がごちゃごちゃしてて、色々掴みきれないままどんどん進むので気持ちの入れ処がわからなかった。みっちり詰まってはいるんだけど、長いので3回に分けて観たのが敗因だと思う。全体的に情報量過多で圧迫されそうになったけど、エンドロールのデザインは凝ってて良かった。ギャッツビーも似たような感じだったけど、バスラーマンって余白恐怖症なのかな。至る所に手を入れて埋め尽くさないと気がすまない感じ。たまには力を抜いていいんだよ。
