コンテナ店子

沖縄狂想曲のコンテナ店子のレビュー・感想・評価

沖縄狂想曲(2024年製作の映画)
2.5
 私はドキュメンタリー映画が好きです。総数が少ないのでやってるのに気づいたらそれだけで予告編も見ずに行ってしまうくらいです。この映画もそう言う感じで見に行きました。
 好きだったところも嫌いだったところもあって、総合的に見るとぼちぼちな感じの映画でした。

 一番気になったところから書くと、音がとりあえずうるさかったです。新しいVTRであったり新しいトピックが出るたびにワンピースみたいにドン!って音がします。それが気になって気になって仕方がなかったです。
 特に一番問題に感じたところが、作中でオスプレイの話が出るのですが、その際に「オスプレイは音が独特だ」というセリフが出ます。その後すぐにカットが切り替わり、オスプレイの映像と共にドン!と音が鳴ってました。このせいで、一瞬このドン!がオスプレイの音だと勘違いしてしました。
 映画全体にこのドン!がなくても何も問題ないし、音で無理やり感情をひねり出されてるみたいで好きじゃないです。

 とはいえ脚本と言うべきか、話の進行はけっこう良かったです。最終的には基地問題に話が集約するのですが、その運ばれ方はいいと思います。基地自体は問題かもしれませんが、そこにいるアメリカ人たちを両面的に映していて、彼らのいいところも話していました。
 最終的なメッセージ的にもその方が的確だと思いますし、ただアメリカ軍は基地にいる悪という風に描くのはフェアじゃないと思います。彼らがいることで必ずしも百害あって一利なしという訳ではないはずなので、彼らの名誉のためにもいいところも映すべきです。

 他にも意外だったのは、沖縄人側の悪い側面を撮っている時もちゃんとあったことです。沖縄を取材しているのに彼らのあくどい面を映すのはけっこうガッツがいることなはずです。特に実際に彼ら本人に取材しているのに、もし見られて非難される可能性もあるドキュメンタリー映画でそれをやったのは素晴らしいと思います。

 その他色んなことを取り上げた結果全体的に1つ1つの話題の中身が薄かったのも少し問題に感じましたが、広く浅くというスタンスで沖縄の事情を何も知らない人に向けてる入門編としてならそんなに問題ないと思います。
 私もその1人だし、自分でもっと詳しく調べて沖縄について知るきっかけを作るのが目的なら悪くないでしょう。

 上で書いたドン!も含めて全体的に技術面で問題の多い作品だとは思いますが、専門家の話自体は非常に興味深く、見ごたえはそれなりにありました。正直2.5点の割には割とおすすめはできます。満足度を言うと技術が1.5点で話が3.5点で中間として2.5点みたいな感じです。
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