Dick

わが町の映画館-ペルー映画館の記跡-のDickのレビュー・感想・評価

4.0
■「ペルー映画祭」(名古屋シネマテーク3/26-4/8)で上映。本作は4/6(水)1回のみ。

❶相性:上。
➋時代:現代及び過去1960年までのアーカーブ映像。
❸舞台:ペルーのリマと地方都市の映画館。

❹要旨:
①映画が黄金時代だった1960年代から80年代前半のペルーには、首都リマだけでも87館の映画館があった。座席数1,000席前後の本格的な大劇場である。
②地方を含めた総数は言及されていないが、劇場名と地名は表示される。その数は優に100を超えていたと思う。
③今は、その映画館の大半が、閉館になったり、別の事業に生まれ変わったりして、存続しているものは少ない。
④それに代わって、台頭しているのがシネコンである。
⑤本作は、かって、これ等の映画館で働いていて、今は、シルバー世代になっている人たち(経営者、支配人、映写技師、助手、切符係、清掃人、看板絵師等々)の思い出話と、100超の映画館のアーカーブ映像で構成されている。
⑥シネコンは一切登場しない。

❺まとめ:
①映画愛と感傷と郷愁で胸が一杯になる。
②家族や親しい友人たちと一緒に、笑い泣き、楽しさ、悲しさ等の感情を共有する大劇場スタイルの映画館文化は、もう戻ってこない。
③このタイプの映画館が衰退したのは、TV、ビデオ、DVD、スマホ、タブレット、シネコン等々の説があり、これ等が複合的に影響した結果だと思う。これは世界共通だろう。
④登場人物の一人が、確信的に語っていたのが、ペルーの特殊事情。即ち「アラン・ガルシア大統領の失政により、国民が貧しくなり、ゆとりをなくしてしまったのが原因だ。」
★真偽はともかく、人間生活の基本は「ゆとり、心の余裕」だと思う。
Dick

Dick