Ayu

ウーマン・トーキング 私たちの選択のAyuのレビュー・感想・評価

4.0
たぶん日本で一番最初の一般試写であろうWOWOWのオスカーオールナイトの試写会で鑑賞、本作を最初に持ってきた編成グッジョブ。そしてアカデミー賞おめでとう、サラ・ポーリーのスピーチと出席したキャストのファッションも良かった。

2010年の南米ボリビアで起こった実話をベースにした、現代に通ずる重すぎるテーマは自分が彼女たちと同じ女性だからこそわかる感情が散りばめられていた。議論の行く末の移り変わりが興味深い会話劇。ルーニー・マーラをはじめ女性キャストたちはもちろん皆素晴らしいけど、唯一の男性キャストである書記(このコロニーの女性たちは教育を受けておらず、字が書けないため)で教師のオーガスト役のベン・ウィショーがとても良いアクセント。完全に分かり合う、理解することは出来なくても同じ方向を向いて未来について一緒に寄り添って考えることは出来るよね。

104分中ほとんどの時間を女性たちが納屋でずっと自分たちの行く末を議論する部分が占めるので、派手さは皆無だし典型的な【男性】はそもそもこの女性たちが事件で抱える悲しみや怒り、そして決意を語り合う議論の意味を自分ごととして理解出来ないと思う。悲しいかなアカデミー賞脚色賞を獲ったにも関わらず、現代の所謂【映画マニア/シネフィル】と呼ばれる人たちの好みの傾向を見る限り日本では一般ウケしなさそう(想像出来るのがまた辛い、toxic masculinityは今すぐ滅びろ)本作を観て少しでも何かを感じてくれたら嬉しいのだけど。
Ayu

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