10000lyfhさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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映画(470)
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ヴィクトリア(2015年製作の映画)

4.0

ベルリン、ある日の明け方に若い女性ヴィクトリアに起こった一連の出来事を全編ワンショットで撮った映画。2時間超えで、ある程度のストーリーとクォリティがあって、完全にワンショットな映画、おそらく唯一ではな>>続きを読む

サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

十数名の村社会コミュニティが、死んだと信じられていたカリスマの帰還に振り回される様子を描いた、7時間超の大作。前半は、ほぼ同じ時間枠で起きたことを、6つの視点から描く(3つの事象において 2者の視点が>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

酒気帯び心臓手術で父を亡くした少年の超能力?復讐劇。薄気味悪い少年との謎の交流、心臓外科医の子供たちに発症する下肢麻痺、少年に屈するかたちでロシアンルーレット的に家族の誰かを射殺する外科医、と展開。少>>続きを読む

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

結婚式の 2日前にヴェガスでバチェラパーティした 4人組が、ドラッグで記憶を無くして目覚め、その夜なにがあったかを推理しつつ行方不明の新郎を探すコメディ。ストーリーはありがちな「大山鳴動して灯台下暗し>>続きを読む

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

3.5

人間の脳と義体を持つ草薙素子少佐と、AI またはネットワーク上で生まれた意識体「人形使い」が融合し、新しい人格が誕生する話。まだ人々が、インターネットに対し未知ゆえの畏怖を抱いていたネット黎明期の 1>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

貧富格差と、それに対する、普段は心の奥底に押し込められている感情の暴発。貧困家族の 4人全員が、赤の他人のフリをし巧みな人心操作で裕福家庭の使用人となるも(第1部)、前使用人の夫が、住人家族すら知らな>>続きを読む

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ルームメイト殺しの容疑で収監された女性の、刑事/牧師/尼僧/女性弁護士らとの、性的要素を含む、事件に関する対話。 タイトルの表面的解釈「性欲の発展としての殺人や死への願望」そのままの内容だが、そもそも>>続きを読む

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.0

サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館内で再現された、18世紀から 20世紀にかけてのロシア史上の出来事を、全編ワンショットで撮影。まず冒頭、馬車から降りる、美しく着飾った女性たちの映像にハッとす>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

万引きを生活基盤とする 6人の擬似家族の絆と生き様。私の知る限り近年の日本映画では珍しい、「社会の暗部を直視し、中規模バジェット以上で、プロダクションクォリティの高い映画」で、そこは評価したい。ただ、>>続きを読む

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

3.5

人類の子供が生まれなくなって 18年経過後、イギリスで、妊娠した不法移民の女性を、政治利用から守るための逃避行。前提設定はリアルに起こり得そうで、「侍女の物語」ともども、そのような状況下で、女性の出生>>続きを読む

フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

2.5

実際に見世物小屋の芸人であった奇形者や障害者をフィーチャーした復讐劇。フィクションとは言え、社会的に下層の、閉ざされたコミュニティ内部にも「カースト」があり、マウンティングや騙しや嫉妬や怨恨があり、と>>続きを読む

プロデューサーズ(2005年製作の映画)

2.5

資金集めて糞ミュージカルをプロデュースし、コケさせて資金もらい逃げしちゃお的な企みが、ミュージカルのヒットで失敗しちゃう話。メルブルックスの非ミュージカル映画を元にしたブロードウェイ定番ミュージカル(>>続きを読む

回転(1961年製作の映画)

2.5

英国の田舎の邸宅、故人の男性使用人と女性家庭教師の霊が幼い兄妹に憑依(未遂?)、現女性家庭教師と兄妹の心理ゲームも含むサイコホラー。ストーリー上の面白さは、正確に何が起こったのかが曖昧であること(幼い>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

5.0

1970年代ニューヨーク、ヴェトナム帰還で PTSD 睡眠障害に悩むタクシードライバーが目撃する、都市の様々の表情(売春/強盗/貧困/人種対立など)と、彼のとった変化への計画とその想定外の顛末。学歴職>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

5.0

1970年代、黒人と白人の刑事コンビの KKK への潜入捜査を描いた、実話に基づくバディ映画。

当時の黒人のアクティヴィズムや文化へのノスタルジー、現在のアメリカ社会のメタファ、そして溢れる映画愛、
>>続きを読む

豚小屋(1969年製作の映画)

1.5

カニバリズムに関する 2つのエピソード(中世以前の過去と、制作当時の現代である 1960年代)がパラレルに進む映画。過去編は、翌年公開の「エルトポ」を直接的に連想させる風景(公開年が近過ぎるので影響関>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

18世紀フランス、肖像画を描かれる令嬢と、肖像画を描く女性画家との、束の間の恋。 女中もまじえ、身分の異なる 3人の女性の交流、そして、それぞれの身分の女性が負わされる人生での義務や制約が描かれる。こ>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

第一次世界大戦中、敵軍攻撃中止の伝令任務を遂行するイギリス人兵士の一昼夜。「バードマン」直系の擬似ワンカット作品で、作り込んだ大掛かりなセット、異なるシーン立て続けの演技、緻密に計画されたカメラワーク>>続きを読む

アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.5

犯罪に巻き込まれた 2人の中年男性のドライな友情。まずは、流れるようにグイグイ展開するストーリーに引き込まれた。そして美しい映像、全ショットが神レヴェル。色が鮮やか(赤のビートルと白の救急車など綺麗な>>続きを読む

情事(1960年製作の映画)

3.0

失踪女性アンナを捜索中の、フィアンセサンドロと親友クラウディアが恋に落ちる話。多くの短所と、若干の長所がある作品。短所の筆頭は、サンドロの言動で、不快の一言。ラストはもちろん、フィアンセ失踪の翌日にク>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.5

複数のパラレルワールドのスーパーヒーロー/ヒロイン達と交流しながら、自世界のスパイダーマンを後継しようとする少年の、カミングオブエイジな CG アニメ映画。本作のユニークな特徴として、コンテンツから表>>続きを読む

8 Mile(2002年製作の映画)

3.5

1990年代デトロイトの白人ラッパーの格闘。言うまでもなく、事実上エミネムの半自伝、エミネムがいるからこそリアリティを持つ映画。「ヒップホップという限定された文化コミュニティとはいえ、黒人が圧倒的に優>>続きを読む

奇跡の丘(1964年製作の映画)

3.5

「マタイによる福音書」のおそらく非常に忠実な映画化、つまりイエス・キリストの伝記/肖像映画。敬虔なキリスト教徒にとっては、「マタイによる福音書」を読むのと同様の宗教的体験が視聴によって得られるのではな>>続きを読む

E.T.(1982年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

地球に取り残された宇宙人とキッズの交流。観る前の予想をはるかに超えて、スピルバーグの特異性が非常に強く発揮された映画。凝ったショットが多い。見所でもある E.T. と少年の身体状態がシンクするカエル解>>続きを読む

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

2.0

人間男性と AI 女性の悲恋。最新テクノロジーを大衆目線で描いた映画の宿命として、ツッコミどころが多いのと、あっちゅーまに古くなってしまうのと、が典型的に出てしまった作品だと思う。本作では、AI を、>>続きを読む

ピクニック(1936年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

パリジェンヌが田舎青年とボートで小旅行。主人公の可憐さ、自然の美しさ(特にウグイスと川面の雨)を捉えた映像、そして封印された思い出の切なさが印象に残る。主人公については、主要登場人物の中で、ルックス的>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

失踪した娘の行方を、オンライン/リアルの両方で、刑事と共に追う父。すべての映像が、PC/スマホ上の画面であることが話題性。ネット上のブラフ、チャットのミスリード、虚偽の自白ヴィデオ等で、「真相」が二転>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

時間軸を行き来しながら、世界滅亡を道連れに自殺を図る人物から世界を救う話。本作最大のユニークさにして見所は、時間軸をマイナス 1 の速度で遡ると、順行する者/逆行する者それぞれの目にどう映るか(タリン>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.5

かつてのスーパーヒーロー映画の人気俳優がブロードウェイ演劇の演出家/俳優に挑戦。

長回しの話から(以下、自明と思うが、「全編」は、冒頭の主人公の浮遊シーンから、オープニングナイト幕引きまでを指す)。
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ファム・ファタール(2002年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

カンヌ映画祭での宝石強盗が仲間割れ、7年後、アメリカ大使夫人となったファムファタール、出所した元仲間、そしてパパラッチらがパリで織りなす愛憎ドラマ。明瞭に短所と長所がある作品。短所の筆頭は、開き直った>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

旧友の妻の偽装自殺の目撃者に仕立て上げられた、高所恐怖症の元警察官が主人公のノワール。

ヒッチコック 1950年代の傑作群の中では、プロットが意外性あり複雑め、ユーモア要素の少ない本格ノワールで、本
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.5

1932年、ヨーロッパの一流ホテルのコンシェルジュとベルボーイの、世代と立場を超えた友情が背景のクライムコメディドラマ。ベルボーイの生真面目さ/勤勉さ/仕事への誇り/ボスへの忠誠心と敬意/恋愛と結婚/>>続きを読む

地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

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(作品についてのレビューはオリジナルへのレビューを参照。本レビューでは、Final Cut についてのみ延べ、スコアはつけない)
約 2.5時間のオリジナルに比べ約 30分長く、劇場で休憩なしで観るに
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地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)

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(作品についてのレビューはオリジナル版へのレビューを参照。本レビューでは、完全版についてのみ延べ、スコアはつけない)
約 2.5時間のオリジナルに比べ約 50分長く、オリジナルではおそらく尺的理由でカ
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.5

ヴェトナム戦争中、カンボディア奥地で現地人のカルト軍隊を組織した元アメリカ軍人を抹殺する任務。出発後、ヌン川を遡りつつ、ゴール含め 4つの拠点で目撃した、戦争が泥沼化した極限状況下での様々の狂気のエピ>>続きを読む

影なき狙撃者(1962年製作の映画)

4.0

朝鮮戦争中に東側に洗脳され暗殺者となり帰国した元アメリカ軍人の悲劇。見どころは当時のハリウッド映画としては独特な「夢」や「記憶」の扱い方だろう。中でも、序盤の悪夢シーン(洗脳者による被洗脳者たちのデモ>>続きを読む