10000lyfhさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

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まわり道(1974年製作の映画)

2.0

ロードムーヴィトリロジーその2。一般的にトリロジーその2 にありがちな、作り手の余裕というか緊張感の欠如、倦怠、よく言えば模索、を感じる。主人公は「アリス」の続編か?と思うくらい、同じ人物にしか見えな>>続きを読む

ニノチカ(1939年製作の映画)

3.0

ソ連のエリート女性特使ニノチカ(グレタガルボ)とパリのプレイボーイ男性レオンの古典ロムコム。飢える自国民を憂慮する有能でタフな特使として登場しながら、結局は資本主義に負け恋に落ちてしまう(フェアに言う>>続きを読む

スナッチ(2000年製作の映画)

3.5

「スタイリッシュ」なクライムコメディ群像劇。ストーリーの主軸は、アングラ八百長ボクシングと、宝石強奪戦の 2本で、両者は終盤の全員集合シーンで交錯する。監督が一番描きたかったのはボクシング、そして犬、>>続きを読む

フットルース(1984年製作の映画)

2.0

スモールタウン高校生のダンス愛と締めつけルールへの反抗。メインテーマが、どっちつかずで散漫な印象(ダンスを全面に出してもよかったかな、と思う)。トラクター決闘など、高校生の危険な遊びにはぽかーんな感じ>>続きを読む

エル・トポ(1970年製作の映画)

4.0

シュールに拡大解釈された西部劇。出来事・人物・人物関係などに、歴史的・政治的・社会的・宗教的・哲学的な様々の意味がこめられている(そんな気がするが、内容はとりあえず深追いしない)と同時に、物語は直感的>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

2.5

米空軍エリートパイロットたちの養成スクール「トップガン」を舞台にした青春ドラマ。米空軍の協力あってこその、戦闘機の映像、また戦闘機からの空撮映像が本作ならではの見ごたえ。ドラマ自体は、ライヴァルとの切>>続きを読む

逃走迷路(1942年製作の映画)

2.5

安定の 1940年代ヒッチコックで、北北西の前振り(逃走しながらの濡れ衣晴らしと、クライマックスの観光名所での活劇)。ヒッチハイクしたトラックの運転手が、意図せずして主人公の神経を逆撫でるセリフを言っ>>続きを読む

ニューオリンズ(1947年製作の映画)

2.5

ニューオリンズジャズを背景にしたラヴストーリー。「サッチモやビリーホリデイの演奏は素晴らしく映像は貴重だが他は。。。笑」が定着した評価のようだが、次の点は評価したい。アメリカで黒人が創り出した音楽を白>>続きを読む

ソドムの市(1975年製作の映画)

3.5

4人の中年男性権力者が多数の少年少女を拉致監禁し、肉体的・精神的・性的暴行を繰り広げる話。舞台を第二次大戦末期イタリアに移した点以外は、マルキ・ド・サド原作(未読)に忠実のようだ。ファシズムをミニチュ>>続きを読む

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

1950年代 LAPD の刑事群像を、腐敗も含めシニカルに描いたクライム映画。見どころは、性格、バックグラウンド、モティヴェーションが 3者 3様(見事に The Good, the Bad, and>>続きを読む

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

4.5

男が人妻をストーカーまがいに強引に口説く。骨格となるストーリーは単純だが、庭園つき装飾過剰ホテルとココシャネルの豪華な衣装をフィーチャーした映像美が圧巻。そして俳優たちが無機質、のみならず作品全体が無>>続きを読む

都会のアリス(1973年製作の映画)

3.5

31歳ドイツ人男性のアメリカ探しからの自分探しと、9歳ドイツ人少女の母のニグレクトからの祖母探しがシンクロした国際ロードムーヴィ。男性の父親的立ち位置と、少女の恋慕を含む感情の関係は、後にレオンに受け>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.0

ボニー&クライドの実録的映画で、New Hollywood の嚆矢。現代目線ではいろいろと中途半端で、まず、美男美女起用が功罪相半ば。おかげで(冒頭のリアルボニクラ写真集を映像化したような)綺麗でアイ>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.0

米国特有の人種関係ネタをサイコホラーフォーマットに落とし込んだ意欲作。ネオナチや KKK のような分かりやすい差別主義者でなく、「自分たちは差別などしない」と信じている白人層の「無意識レベルの人種的線>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

2.5

1951年とその 10年後のサイゴンを舞台に、上中流階級一家とその使用人である女性主人公ムイとの関係を描く。基本的に前半と後半で別(主演女優、環境、テーマが異なる)の 2中編からなるオムニバス的な映画>>続きを読む

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

3.0

ロックミュージシャンが臨時教師になりすましキッズロックバンドを結成、キッズにロックの素晴らしさを伝授。素のままのジャックブラックが生き生きしてて「いい人」感も満載で、観る者を幸せにする音楽コメディ。子>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.0

第3次世界大戦後、生き残った「現在」の人類を救うために、過去や未来への旅を強制される男の悲劇を描いた、静止画像(1箇所のみ動画)による短編。ストーリーは今でこそ普通だが、ポストアポカリプスとタイムトラ>>続きを読む

ベン・ハー(1959年製作の映画)

3.5

帝政ローマ時代に波乱万丈の生涯を送った、貴族の出自のユダヤ青年の話。多くのエピソードが連なるが、ガレー船での船漕ぎトレーニングから海賊との海戦そして海軍総司令官救出までが前半クライマックス、戦車競争が>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

いつものウディアレンの安定感、ファンがウディの新作に期待するものを必要十分にきちんと見せてくれる。ウディ映画で毎回、不思議に思うことの 1つは、男が好きになった女が好きを返すから、男の幻想が満たされて>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.0

シングルマザー、ADHD の息子、近隣の吃音障害を持つ休職中女性教師の 3人の交流と顛末。基調となるのは母と息子の関係で、処女長編「マイマザー」に通じる原点回帰。本作でも、ドランは息子スティーヴに自己>>続きを読む

ラッシュアワー(1998年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

クリスタッカーとジャッキーチェンの刑事バディ映画。それぞれの際立った個性と、異色コンビとしての微笑ましさ(エドウィンスター “War” をバックにじゃれあうシーンが特に。2人ともプロの役者とは言え、プ>>続きを読む

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ノワールなムードの中、2人の男性がお互いに変身し合うんだか乗り移り合うんだか、超自然現象に見舞われながら複数の殺人事件に巻き込まれ、さらにエロティックなスパイスが添えられた映画。プロットは複雑で、一応>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

2.5

2010年代にアップデートされたゴジラ。もともと 1950年代に原水爆への恐怖から生まれたゴジラだが、本作での放射能被害と、政府の対応の描写には、3.11 のエコーも感じられる。今世紀のパニック映画の>>続きを読む

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

3.0

911 からビン・ラーディン殺害までの CIA 諜報活動の経緯を、CIA 女性エージェント(ジェシカ・チャステイン)の視点から。客観的かつ再現性高く描くのにビグローはベストな監督で、フィクションながら>>続きを読む

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

5.0

黒人の退役軍人グループが、現在のヴェトナムで私的ミッションを遂行しつつヴェトナム戦争を回顧。「地獄の黙示録」へのオマージュ(ワルキューレが不思議なタイミングで鳴ったが、相応しいシーンが本作中にはないの>>続きを読む

バッドボーイズ(1995年製作の映画)

2.5

アクションとコメディのバランスほどよい刑事バディ映画。麻薬犯追跡を軸に、人物入れ替わりがコメディ要素として加わるという、バディ映画としてそれなりのプロットだが、ブラックスプロイテーションやタランティー>>続きを読む

インランド・エンパイア(2006年製作の映画)

4.0

ローラダーン演じるハリウッド女優の、実生活と映画の中の世界、さらに分身と思われるポーランドの売春婦の世界が交錯。

ニッキー(本作でのダーンの役名)/スー(作中映画でのニッキーの役名)が、明示的に現実
>>続きを読む

インディア・ソング(1974年製作の映画)

1.5

1930年代カルカッタのフランス大使館で、退屈から不倫に走る大使夫人(デルフィーヌ・セイリグ)と男たちの話。監督デュラスの性愛への願望が、彼女の小説と同様に、発露された映画だと思う。独特なスタイルで、>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

2.5

1980年代シットコム風タイムトラベル SF。過去にタイムトラベル中にいろいろやらかすと現在に影響出るやん系のネタがエンタメ的に満載だが、いちいちツッコミたくなる自分が素直じゃないなぁ笑 例えば、両親>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

5.0

1967年デトロイト暴動の派生として起こったアルジェ・モーテル事件を克明に再現。事件の現場はもちろん事後も人種偏見に満ちた警察のずさんな捜査や、全員白人の陪審員など、制度的人種差別の結果として、殺人を>>続きを読む

ソウ(2004年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

密室に監禁された 2人の男性と正体不明の監禁者との心理戦。とはいえ、監禁された 2人の男性間の心理戦は、片方がもう片方を実は以前から知っていたとか、監禁者が仕掛けたネタを片方が一時的に隠蔽したとか、と>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.5

ジョーカー誕生に至る物語という設定で、架空の都市ゴッサム(明瞭にニューヨーク)を舞台に、障害を持つ主人公が偶発的殺人によりヒーローに祭り上げられる。

脚本が素晴らしい。障害に苦しみつつも懸命に生きる
>>続きを読む

トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

2.0

トム(ドラン)が農場でマインドコントロールされる話。力作「わたしはロランス」の後でまた模索期に入ったかドラン監督。過去 3作に共通する作風から大きく転換(PV 風イメージ映像なし/一部挿入歌を除き普通>>続きを読む

SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.0

ある男性の、人種差別思想からの更生と、それに伴う白人至上主義団体からの脱退の闘い。描かれている白人至上主義団体は、メンバへの強制従属も含め、実質的にカルト。本作の主人公ブライオンの場合、組織の洗脳によ>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人種差別のカフカ的寓話。黒人に暴行を加えた人種差別主義者の白人が、報復として入墨で全身を黒くされ、自ら人種差別教育を施した息子に撃たれるという、短編でしか使えない小ネタを、見事に作品に昇華。中身が同じ>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.5

警察ものスラップスティック。想像を超えたドタバタ展開と、それぞれ個性ある 5人のチームのアンサンブルキャストが魅力。丁寧な説明よりもスピーディな展開を優先な作風の中、登場人物たちの行動が論理性を欠きぶ>>続きを読む