10000lyfhさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.5

人類が生殖能力を失った未来のディストピアで、生殖復活への手がかりを探るミッションを負った男性の、地下世界探検を描いたストップモーションアニメ。最大の魅力は世界観で、少なくとも 3階層ある広大な地下空間>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.0

20世紀初頭のカリフォルニアを舞台に、成り上がりの粗野な石油採掘事業者ダニエルと、その息子 HW、元土地所有者の若き宣教師イーライらが繰り広げる愛憎ドラマ。ダニエルとイーライの、長年にわたるマインドゲ>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

2.5

スタイリッシュで感傷的な雰囲気(だけ)でみせるクライムサスペンスで、正直、中身を感じなかった。序盤、無名(←お洒落やね)の主人公(爪楊枝みたいなのくわえない方が絶対よい、なんかもったいない)と隣人の既>>続きを読む

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

3.0

ストリートアーティストの動画撮影に取り憑かれ、バンクシーに出会い、自らアーティストとなった人物ティエリー・グエッタを、バンクシーが纏め上げたドキュメンタリ。前半はティエリーが撮影した、シェパード・フェ>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.5

第二次大戦中の日本軍俘虜収容所で、カリスマ英国軍人がトリガーとなって生じた、対立、友情、同性間の慕情などのドラマ。音楽との関係において非常に特異な映画。有名な坂本のテーマ曲は映画史上でも屈指の名曲(劇>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

サイコセラピーのために開発された夢を共有するデヴァイスを、プロジェクトトップが世界征服のため悪用しようとする悪夢を描いたアニメ作品。夢の共有というアイディア自体は比較的単純で、夢が連鎖したり悪夢が現実>>続きを読む

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.5

ランドスケープ映画とロードムービーとクィアフィルムの奇妙なミックス。映画の印象として強く残るのは、いくつかの鮮烈な映像:アイダホの荒野の上下に波打つ道路、荒野の一軒家の上を流れる雲(固定カメラ長時間撮>>続きを読む

ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ(1993年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ロビンフッドのパロコメミュージカル映画。メルブルックスのキャリア後期の作品で、彼が培ってきた多くのコメディ映画手法が幅広く手堅く使われている:シチュエーションのおかしみ(城の物理的な没収、橋上の決闘、>>続きを読む

グラディエーター(2000年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

帝政ローマの軍人転じて奴隷剣闘士の波乱人生。帝政ローマ映画は、SF 映画に似て、製作時期の文化や映画技術を反映する。数作観たが、雰囲気や人々の様子など、どれも異なる。本作への最大の疑問は、奴隷剣闘士の>>続きを読む

美女と野獣(1991年製作の映画)

3.0

ディズニーミュージカルアニメ版「美女と野獣」。心の機微が丁寧に描かれ(オオカミの群に襲われた逃亡美女を野獣が救った後、城に戻って傷ついた野獣を介抱するシーンの会話など)、大人にも楽しめる内容。また、野>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

4.0

トールキン「指輪物語」第一部「旅の仲間」の映画化。リングの歴史的経緯から、譲り受けた主人公のホビットがそれを破壊する旅に出て、多くの困難や危機、時たまの安息を経ながら彼自身を含め 9人のフェローシップ>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

西部劇オマージュ。他にもブラックスプロイテーション、スプラッター、バディ映画などの引用/パロディ/オマージュに溢れていそう。血の海で全員野垂れ死にはレザボアへの原点回帰/セルフオマージュか。人種の扱い>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

3.0

新婚の船長夫婦と他 2名の乗員の、船の上の日常とドラマ。初々しい新婚日記からテンション孕むドラマへ、そしてお互いの喪失感の描写へと、シンプルなストーリーだが、たゆたうように流れ進む中に詩的な魅力が宿る>>続きを読む

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

4.0

寄宿学校での 4人の少年たちの叛乱。監督のむき出しの回顧的心情がストーリー化された、恐るべきパワーに満ちた中編。先行の習作的 2短編に引き続き、本作でもシンプルなアニメーション(若手教師が風刺的に描い>>続きを読む

競泳選手ジャン・タリス(1931年製作の映画)

2.5

競泳選手ジャン・タリスに関する 9分の短いドキュメンタリ。水泳に関する説明は、少なくとも現代では、素人の私にも常識的な内容で、選手の水泳技術やその凄さを科学的に分析したようなものではない。映画作品とし>>続きを読む

ニースについて(1930年製作の映画)

2.5

ジガ・ヴェルトフ「カメラを持った男」に明瞭に影響された、ニース版の都市生活描写サイレントモンタージュ短編。オープニングの空撮にはじまり、ざっくりと、ブルジョワ旅行者たちから(旅行者風女性の唐突なヌード>>続きを読む

これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

3.0

都市生活描写サイレントモンタージュ。主な被写体は、交通機関(鉄道、市電など)、機械(印刷、電話交換など)、スポーツなど。当時の最先端を含むあらゆる撮影、編集、ポスプロ技術を駆使(クレイアニメ的テクで三>>続きを読む

脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

病気持ちで死を意識する孤独な舞台演出家ケイデンが、キャリアと人生を賭けて、現実世界の忠実な再現を目指した大規模舞台作品を延々と制作し続ける中、現実の世界と舞台の世界、さらには舞台をも含めた現実の世界と>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

4.0

ブラックパンサーが主人公の MCU 映画。バックグラウンド設定はだいたい原作に忠実な、優れたアクションエンタメ。プラスして、ヒーローとヴィランが、グローバルな(主として米国とアフリカの)黒人社会の中で>>続きを読む

ハワーズ・エンド(1992年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

地方の別荘ハワーズエンドの所有権が、ある一家(ホプキンスら)から別の一家(トンプソンら)に移譲されつつ繰り広げられる、両家プラスさらにある夫婦の、愛憎入り交じるドラマ。誰もに長所短所両面があり、特定の>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

高齢の服飾デザイナー男性と若いモデル兼アシスタント女性の愛憎入り交じる関係そして結婚生活。彼女が対話の中で回想する形式。デザイナーの人物像に、私と似たところが多く(全部ではない笑)、自分と重ね合せてし>>続きを読む

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

2.5

社用機が海上に墜落し、唯一の生存者として無人島で 4年を生き延びた後に帰国したアメリカ人 FedEx 社員の生還記。3部構成で、部ごとのムードのコントラストや推移が、「ディアハンター」によく似ている。>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

2.5

出所したばかりの黒人 MTF セックスワーカーとその仲間、彼氏らしい売春斡旋者とその浮気相手のセックスワーカー、顧客のアルメニア移民タクシー運転手とその家族らが、クリスマスイヴの LA で織りなす痴話>>続きを読む

オルフェ(1950年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

制作当時(1950年頃)のパリを舞台にしたオルフェの緩いアダプテーション。詩的リアリズム(ルノワール風乱闘あり笑)とシュルレアリスムがブレンドされたような作風で、人物達の行動のモティヴェがわかりにくい>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

2.0

夫が妻に告げずに非公式に養子とした、死産した子と同時刻に産まれ母を亡くしてしまった子が、周囲の人々に不可解な死をもたらす存在となるオカルト映画の古典。結論を先に書いてしまうと、楽しみ方が分からなかった>>続きを読む

スネーク・アイズ(1998年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

八百長ボクシングの裏で進行する国防長官の暗殺。デパルマ作品としては並、何よりストーリーが 90年代あるあるの警察官主導の陰謀でつまらない。また、前半で丁寧に描かれた主役 2人の警察官の厚い友情が、後半>>続きを読む

日の名残り(1993年製作の映画)

3.0

2つの世界大戦の間の 1920-30年代、イギリスの地方の邸宅で、ナチスの対イギリス活動に巻き込まれた伯爵を中心とした、国家間の裏の駆引きを目撃した執事をめぐる、様々のドラマ。映画の中核となる 192>>続きを読む

ことの次第(1981年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

プロデューサーがマフィア出資者と、白黒映画にしたことを理由にトラブり、SF 映画撮影が中断、監督が出演者やスタッフに突き上げられる話。制作中の SF 映画内の世界で始まり、演技を終えた子役に監督が歩み>>続きを読む

ニーチェの馬(2011年製作の映画)

3.5

荒野にひっそりと暮らす父と娘が生活基盤を失ってゆく 6日間。暴風の中、虫が鳴き止み、馬が疲れ、外部から望まない干渉をされ、井戸が乾き、逃げる先も無く、火が消える。監督ら作り手の意図は、ニーチェ的なニヒ>>続きを読む

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

3.5

第二次大戦後ソ連極東版「大人は判ってくれない」(だが、列車転覆から宝石強殺まで、反抗の延長がやり過ぎで共感は無理)。たまに出てくる神がかり的に美しい映像(ポスターにもなっているクライマックスの線路に佇>>続きを読む

黄金の馬車(1953年製作の映画)

2.0

18世紀ペルー、イタリアから到着した旅芸人一座の看板女優カミーラと、権力者と闘牛士と一座の男優との四角関係恋愛ゲーム。「ゲームの規則」のわちゃわちゃ感を、大戦後の開放ムードとカラーフィルム技術(パステ>>続きを読む

東京暗黒街・竹の家(1955年製作の映画)

2.5

戦後の東京で暗躍するアメリカ人ギャング組織への潜入捜査。ギャングも捜査官もアメリカ人で、舞台を日本に、ファムファタール?ら取巻き女子たちを日本人に置き換えた以外は、普通にアメリカのギャング映画。ストー>>続きを読む

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

2.5

米政府が、次のスーパーマンがテロリストとなった場合の対抗策として、収監中のスーパーヴィラン達から成るスーサイド・スクワッドを結成、タイミングよくテロ攻撃を始めた魔女エンチャントレスと闘わせる DCEU>>続きを読む

アメリ(2001年製作の映画)

3.5

パリ、いたずら好きでコミュ障で個性的な若きカフェ店員アメリが、運命の人に出会っていい感じの関係をスタートするまでを描いた、アート指向ロムコム。主人公の髪型やファッション、多くの登場人物が織りなす群像劇>>続きを読む

情婦(1957年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

最後のどんでん返しに驚かされる法廷ドラマ。どんでん返し系映画の最初の傑作で、脚本はそれ系映画の教科書と言ってよい。アリバイ証言(実は偽証)可能な被告の「妻」(重婚のため正規の妻ではないので証言可能)の>>続きを読む

ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)

4.0

LA サウスセントラル黒人居住区の制約の大きな環境下で、父から学び、恋をし、友情を育み、未来への道を開こうとするカミングオブエイジドラマ。ヒップホップとシンクして 1990年代に隆盛したジャンル映画初>>続きを読む