話は回想から始まりますが、戦争の場面はこれが昔の出来事だったと思わせるような描写ではなく、まるで今現在起こっているかのようなリアル感、緊迫感がありました。特に冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンに衝撃>>続きを読む
ルネ・クレール監督の初のトーキー映画だということですが、全体的には音楽や効果音を上手に用いたサイレント映画という感じでした。フレドとの決闘シーンが汽車の音の中で行われているのはとても効いていました。>>続きを読む
ついに見ることができました。「シンドラーのリスト」がどういう意味であるのかがようやくわかりました。モノクロであることがまるでドキュメンタリーのような印象を与え、当時の状況が細かく詳細に描かれていて、時>>続きを読む
1930年代のパリ、モンパルナス駅。孤児の少年ヒューゴは駅の中で暮らしています。大時計の裏側とか駅内部に通じる秘密めいた入口、そこから広がる知られざる空間、入り組んだ通り道など誰もがわくわくするような>>続きを読む
久しぶりのミス・マープル。今回のマープル役はアンジェラ・ランズベリー。これ、やはり昔見ていたジェシカおばさんの事件簿に似ているような…。
ロンドン郊外のセント・メアリー・ミードの町で映画『スコットラ>>続きを読む
良かったなあ。メルヴィルのノワール(というかブルー)の世界を充分に堪能しました。素晴らしい映像美です。
今回はアラン・ドロンに加えてイブ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテのそれぞれの濃い個性が、見>>続きを読む
あまりにもバカバカしくて途中でもう見るのやめようと思うんだけど、最後まで見てしまう~なぜってやっぱりおもしろいから~もう完全に突き抜けてるし、圧倒されっぱなし。
今回エミリアンは相変わらず、ダニエルは>>続きを読む
~恋は眼差しから生まれる~
出会い、喜び、陶酔、裏切り、嫉妬、倦怠…といった恋愛についての様々な側面が凝縮されて描かれているように感じました。
新聞社の社長夫人のジャンヌ。(ジャンヌ・モローが本当に美>>続きを読む
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ユーモアのセンスが抜群。抑制された演出ながら、終始クスッとした笑いが止まらない。
レオンからお金を巻き上げようとするパブロの思惑が全然違う方に進んでいくのが見どころ。登場人物は全員イカれているんだけど>>続きを読む
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ストーリーの中で確かなことはただ一つ、母を亡くしたプリューデンスの深い悲しみのみ。それ以外は幻影のように見えました。言い換えればそれほどまでに悲しみの深さを感じました。だからそんな彼女が気の毒で、ラス>>続きを読む
全体を通してマックス、そしてエルザの個人的な状況をていねいに描きながら、その背後にナチスという大きな問題が見えるという感じだった。
マックス役のミシェル・ピコリはとても存在感があり、背負った過去の重み>>続きを読む
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作品解説にもありましたが、この家族は全員が不幸です。
母親は、人生が思い通りにいかないことを周りのせいにして、フランソワ(にんじん)に八つ当たりを続ける。それはもう完全な虐待の域にある。この鬼母をここ>>続きを読む
マネのモデル、ベルト・モリゾが画家だったということをこの作品で初めて知りました。映画は本当に勉強になります……。
女性に対する抑圧がとても強かったこの時代に、絵を描きたいというモチベーションを保つこ>>続きを読む
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カマルグの野生の白馬。荒々しくて強く、神々しい感じさえしました。走り続ける姿や迫力ある馬と馬との戦いなど、大変見ごたえがありました。まるでドキュメンタリーのようで、それだけでも感動ものでした。映像から>>続きを読む
一生心に残るような素晴らしい作品でした。
まず、冒頭の薄い青とピンクのパリの景色が絵画のようで、目が釘付けになりました。さらにそこから男の子パスカルと風船が出会う場面がすてきでした。上を見てあっと気づ>>続きを読む
おもしろかった!モリエールのことはあまり詳しくないのですが、肩ひじ張らずに楽しめました。印象に残ったのは、モリエールが演劇において、喜劇より悲劇の方が上だというようなことを言っていたことです。それをジ>>続きを読む
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多くを語らず、映像を通して様々な想像を迫られる詩のような作品だった。
シルヴィアは夜の街に生きる娼婦。自堕落な生活を送っているが、ある時娘のロランスが起こした事件のために、南仏を逃亡する旅が始まる。>>続きを読む
すごかった。衝撃で脳みそひっかきまわされた感じです。
極貧の農民であるジーターとその家族。もうめちゃくちゃ。都合のいい時だけ神を頼り、ただやりたいように行動する。追い詰められても将来のための努力もしな>>続きを読む
ミシェル・ゴンドリー監督の自伝的青春映画とのこと。懐かしく遠くを振り返った時に、記憶の中でフィクションと現実が混じり合う感じがしますが、そういう雰囲気が齟齬なく融合して描き出されていたように思います。>>続きを読む
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トニー・ガトリフ監督の本作、以前「僕のスウィング」を見てから、ずっと気になってましたが、ようやく鑑賞できました。
ロマン・デュリスとローナ・ハートナー以外すべてロマの人々ということで、その暮らしぶりや>>続きを読む
見始めて、これ「フライトプラン」だ!と思ったのですが、もちろんこちらが原形で、さすがのヒッチコック!と感じ入った次第です。戦前に作られた作品だけど、古くさい感じは全くしませんでした。とても楽しめました>>続きを読む
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~かわいいフランス映画あります~
心を温めてくれるこういう作品は、あれこれ深く考えずに素直に鑑賞するのがいいと思います。レオのかわいさはもちろんだけど、シャルロット・ルボンもまたすごくかわいらしいし>>続きを読む
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高校生イザベルは17歳の夏のバカンスを過ごした後、売春を始める。若さと美しさを無防備に差し出し、自分自身の存在価値を確認するかのようにそれにのめりこんでゆく。しかし親にばれてしまい、売春の理由を聞かれ>>続きを読む
ユートピアのような田舎の共同体。前半はそれがとてもユニークでおもしろかった。みんなのんびりしていてやりたいことをやり、音楽好きで、いろんな国籍や宗教の人がいて、幽霊もいて、でも一定の秩序を持ってその共>>続きを読む
ヴァレリー・ドンゼッリと元パートナーのジェレミー・エルカイムが彼らの実体験をもとに、監督・脚本そして主演を務め、二人の実の息子も出演するという異色作。
難病の子供を持った親というものをとてもリアルに>>続きを読む
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名前も素性もはっきりしない素浪人の椿三十郎が若侍らを指揮してお上と闘うのだが、これがなかなかの頭脳戦で裏のかき合いが、見てておもしろかった。
三十郎は見た目よれよれで一見頼りなさそうだけれど、的確に作>>続きを読む
感動で涙が出そうになりました。
どのフィルムにも、映画を撮ることができる!どんどん撮影したい!という喜びに満ちあふれていました。撮影された19世紀の人々も本当にいきいきとしてうれしそうで、ああ昔の人々>>続きを読む
~香しく匂い立つイヴォンヌ~
登場人物の背景はあまり語られない。自称公爵というヴィクトールの正体はよく分からないし、ゲイで医者のルネ(この前見た「めぐり逢う朝」で孤高の音楽家を演じたジャン=ピエール>>続きを読む
またすごいものを見てしまった……。高密度に凝縮されたJLGの世界。レマン湖のほとりの自宅を舞台に、不思議な一体感を持つ映像と語りが確かに自画像のようで、最後まで飽きなかった。映像では自然、暗闇、光が印>>続きを読む
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16世紀から17世紀における宮廷作曲家マラン・マレとその師でヴィオロン奏者のサント=コロンブとの関係を、芸術家としてのあり方を軸に描いています。
最初、ジェラール・ドゥパルデュー演じるマレの表情がとて>>続きを読む
後世に大きな影響を与えたこの作品をようやく見ました。
とても良かった。見ごたえたっぷりでした。鑑賞前は単なる侍同士の戦い映画かと思っていたのですが、全然違いました。それだけでなく、人としてのドラマもふ>>続きを読む
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再鑑賞です。以前見た時は、リチャード・ギアのかっこよさと、ザックとポーラの愛のハッピーエンドしか頭に残らなかった…けれど、今回は少し違いました。
一番印象に残ったのは、当時舞台となるシアトルという閉鎖>>続きを読む
ゴダールとアンナ・カリーナによるアンナ・カリーナのための作品。くるくる動き回る彼女がただただかわいくてキュートで魅力たっぷり。世界は彼女を中心に回る。それでいいのだ!
ファッションやヘアスタイルがとて>>続きを読む
父や熊徹との関係を軸にした(とはいえ母の影響も大きい)蓮の成長物語。苦悩しながらも父と熊徹を理解し自分の中に位置付けていく。
残念だったのは、終始既視感があったこと。孫悟空ぽい二人、多々良と百秋坊とか>>続きを読む
この作品の主題を読み取るのはすごく難しくていろいろ考えました。最終的には、子供には親が気づかないところで勝手に育っていくようなところがあるけれど、本作は子供のそういう部分を、監督が想像力を駆使して描い>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
怪傑ゾロ、名前しか知らなくて勝手にノワールものだと思っていたのですが、見始めてテーマ曲(?)が妙にのどかで、あれ、これは一体…………?
本作では、なんとゾロは、不当な植民地支配に苦しむ土地の人々を助け>>続きを読む