自伝的作品として、ベルトルッチの人間像をより知れる点では面白いのだが、そもそも自分はあまりベルトルッチと相性が良くなかったので、退屈であった。正直アドリアーナ・アスティの恐ろしいほどの美貌が無ければ、>>続きを読む
随分前に鑑賞したのだが、印象が薄すぎて観たことすら忘れていた。特に言及すべき点がない。
科学vs宗教という、よくあるテーマではあるが、ベルイマン作品では物珍しいかもしれない方向性の作品。とにかく、内容が全然頭に入ってこない。面白くないわけではないのだが、ベルイマン作品の"旨み"は本作から>>続きを読む
倫理観ガン無視の彼の恋愛作品は、特定の登場人物に感情移入しないで恋愛映画を観る自分とは頗る相性が良い。本作もツッコミどころ満載のストーリーであるが、浜辺の情景とロメール"らしさ"が相まって最高の仕上が>>続きを読む
ひと目でわかる安定のホン・サンス作品。待ってましたとばかりに、セクハラすれすれのゆる〜い物語が繰り広げられていく。そして毎度のこと、ヒロインには魔性の魅力がある。ただし、幾多ある彼の金太郎飴の中でも、>>続きを読む
一部のシネフィルから熱狂的な支持を得ているカルトムービーとのことで鑑賞したところ、本当に素晴らしい作品であった。なにより、三十年代の邦画なのに、ちゃんと台詞が聞き取れる。また、戦意高揚作品が量産されて>>続きを読む
一応本作は軍事モノなのだが、暗黙の了解に踏み込み、笑える悲劇を作り出しているのは流石。精神性としては「フルメタル・ジャケット」に似たものを感じさせるのだが、いつものキム・ギドク"らしさ"は忘れていない>>続きを読む
「ウォン・カーウァイ作品ってこんなに手数が多いものだっけ?」なんて観ながら思ってしまった本作。その色彩感覚と独特のコラージュ感覚は秀逸である。また、至る所から滲み出るナルシシズムも嫌いじゃない。ただし>>続きを読む
元祖ゾンビ映画である本作は、至って正統なアクション映画として奇を衒っておらず好印象。全く怖くはないのだが、ちゃんとドキドキする。また、語りすぎていないのも良い点であろう。考察の余地をいくらも残してくれ>>続きを読む
やっぱりベルトルッチ作とはあまり相性が良くない。見渡せば一面の芸術的なカットの宝庫なのだが、どうもそれを純粋には楽しめず。彼の作品ではエキゾチズムが先行しがちな点もあまり乗れなかった。雰囲気はひたすら>>続きを読む
最高の童貞映画。近年のギャグ路線のくだらない邦画は全てこの作品で殴り倒せてしまうほどの完成度。純度100%の不純。相性の良し悪しはあるだろうが、少なからずどこかしらで共感できてしまうところがあるだろう>>続きを読む
ベルイマン流恋愛喜劇。「ゲームの規則」のような心地の良いだらしなさは嫌いになれないものだ。神の沈黙三部作ほど示唆がある作品ではないが、だからといってただ表面的な映画なだけではない。そして、結局みんなが>>続きを読む
〈嗚呼、我が人生...!〉
ベルイマン流の人生礼賛。決してそれはただ楽天的なだけではなく、酸いも甘いも全てある。『8 1/2』とは似て非なる本作は、これまた人生の本質をついている。なにより、主人公のイ>>続きを読む
本作は、ある意味最もアメリカらしい映画なのかもしれない。低予算映画の鏡として、素晴らしさが詰まっている。なにより、感情論の人間を論理が打ち砕いているのが痛快。今の日本じゃ絶対こんな映画作れないであろう>>続きを読む
決して駄作ではない。アクション控えめな武侠モノとのことで、静謐な映画が好きな自分とは相性が良かった。中国の古典をそのまま映画化したような作品のため、些か難解なところはあるものの、理解し難い部分はない。>>続きを読む
カサヴェテス作品の中でもキャストの魅力が十分に光っている本作。ただし、心情はそこまで伝わってこなかったかもしれない。全体的な粗さは味として良いのだが、イマイチこの内容からは面白さが見いだせなかった。と>>続きを読む
キャストが初心者、セリフも全編インプロなのは凄いと思うが、単純に作品としての強度はどうなのか。50年代に「ちょっとした人種問題」を扱っているのも物珍しさがあるものの、結局何を言いたいのかはイマイチ分か>>続きを読む
〈ポップで、キュートで、そして切ない。〉
ベルイマン初期の傑作。内容はよくある"喪失と再生"モノのそれだが(というか、本作がその原点かもしれない)、そのシンプルさが逆に沁みる。ひと夏の淡い恋模様はとて>>続きを読む
これまた舞台設定が秀逸。ギドク監督作特有の静けさが、広大な自然とうまく画になっている。あらすじは数行でまとまってしまう程度のものだが、それを上手く膨らませられている。もっと過激さがほしいと思ったところ>>続きを読む
〈これぞ人生!映画の巨匠、最高の人生礼賛!〉
フェデリコ・フェリーニといえば、20世紀最大の巨匠の3人に選ばれるほどの、映画の天才である。本作はそんな彼の自伝的作品である。天才が描く人生礼賛という作品>>続きを読む
釣り堀が舞台というだけで傑作なのだが(そもそもこのような場所が存在することを知らなかった)、キム・ギドク100%な芸術的描写も冴えている。静かな水面×霧×小舟だけで、生と死が全て表現できてしまっている>>続きを読む
〈地獄、地獄だ...!〉
ひたすらに続く地獄。その様子は、主人公のしわの数をだけでも分かってしまう。戦争の凄惨さを描いた映画は幾らもあれども、我々はこの恐怖から逃れられない。なにより、音の恐怖が半端な>>続きを読む
本作はヤクザ映画というわけではないのだが、それでもちゃんと終始死の匂いがする。北野作品特有の省略が気持ちの良い間となり、ボクシングの緊張感を引き立たせている。ジュブナイルものとして、この心の機微はかな>>続きを読む
確かに、本作は「ソナチネ」の青写真としての価値しかないと述べる映画本の意見には賛同だ。あの作品がチル/暴力の作品だとすると、本作にはチルしかない。逆に言えばよくそれだけで1本の映画が作れたなと。また、>>続きを読む
The Criterion Correctionという、文化人たちのお気に入り映画を10本紹介するサイトがあるのだが、カサヴェテス作品が頻出することに驚いた。また、彼の作品が好きな人は、一作品ではなく>>続きを読む
〈純粋に、怖い。〉
「パラサイト」の原液と言われている本作。確かに、ポン・ジュノが引用した箇所を見つけるのは難しいことではなかった。とにかく、怖い。コメディ要素は一切排されており、目の前で繰り広げられ>>続きを読む
ひたすらにジャブを打っていたような「書を捨てよ町へ出よう」から進化し右フックや左アッパーが飛んでくる。なかなかの洗練具合だ。特有のコラージュ感覚もより芸術的になっている。しかし、やはり文筆家たる彼の若>>続きを読む
手数多めな雑コラージュ感覚はあまり好きにはなれなかったが、確かに唯一無二である。内容もそこまで特別なものがあるとは感じなかったが、本作の70年代感はなかなか心地がよいので、これを現代に甦らせたら面白い>>続きを読む
〈厭世マスターの文化芸術礼賛! 〉
先日Netflixで公開されたチャーリー・カウフマン監督5年振りの新作。その難解さのあまりに多種多様なレビューが散見され、信頼出来る映画愛好家たちの解説ですら、>>続きを読む
もはやモーガン・フリーマンがマンデラにしか見えない。実話ベースであるがゆえ、試合の結果は分かってしまうのだが、それでもひたすらに戦況にドキドキする。本作にもイーストウッドの教科書のような撮影技術が詰ま>>続きを読む
〈カルトムービー、かくあるべし?〉
前半部の衝撃の度合いはオールタイム・ベスト級だったのだが、8人の仲間の紹介が始まるくらいから一気に減速してしまったように感じる。とはいえ、この色彩感覚はホドロフスキ>>続きを読む
本作では、セルフオマージュやコラージュなど、パク・チャヌクの器用さが光る。ただし、内容は奇を衒えているようでいて凡庸。なりより、没入感が得られない。あまりのめり込めない話が淡々と続き、刺激的なシーンは>>続きを読む