新東宝時代から中川信夫組だった石川義寛の時代劇女侠客モノ。女郎の娘だった軽業太夫・宮園純子が佐渡から島抜け、ご金蔵破りと悲恋の復讐に挑む。
高田宏治脚本なので要素が無駄無く取り込まれ、バッドテイストも>>続きを読む
ムービープラスで鑑賞(ありがたい事に直前に「インターステラー」もやってくれたので良い予習となった)。
本邦公開とコロナの大変だった時期が被ったので劇場での鑑賞を見送ったノーランの「ダンケルク」の後に>>続きを読む
スケバンが罷り通る時代に描かれた、絵に描いたような純愛、いやさ「殉愛」を描く加藤彰監督作品。
不幸な生い立ちと爛れた生活の中で、汚されるほどに清い輝きを見せていく片桐夕子の儚い美しさと健気さを、現代の>>続きを読む
三島由紀夫の通俗小説の映画化、若尾ちゃんは「卍」直前の脂乗りまくりの悪女ぶりで男どもを翻弄していくが、職人監督・富本壮吉の演出は抑制が利き端正、増村の様なトゥーマッチな仕上りにはなっていないのがかえっ>>続きを読む
池玲子+杉本美樹の両スターが、女番長の世界から女子高(!)に舞台を移して対決を見せる、鈴木則文のガールズアクション。クールな個性の美樹とウェットな感性の玲子の対比も鮮やかに、糾弾されるのはしかし金子信>>続きを読む
大奥に男は僕一人!子種欲しさにどの子もこの子も誘惑してくる!
…的なSODのエロDVDみたいな世界なのだが、どっこい異常性欲路線前夜の本作で描かれるのは、どこか強烈な女性不信に囚われた徳川綱吉(吉田輝>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷の小沼勝特集にて。
ロマンポルノを支えた監督の初の一般映画は小6の少女なぎさ(松田まどか)のひと夏の出来事を、60年代の江ノ島を舞台に描く鮮烈な少女映画。
夏+江の島はやはり日活マー>>続きを読む
蓮見ンも公開時に激賞したという小沼勝監督作。
80年代ロマンポルノを支えた小水一男(ガイラ)脚本は、開巻間もなく暴力の香りを漂わせ、その中でやはり見る/見られるの関係性が際立つ。有閑マダムからファム・>>続きを読む
神代辰巳の映画は海辺が似合う。
母の血かそれとも生来のものか、男を囚えて放さない少女が、ダンプ運転手と少年の間で揺れ動く。
孕んだ子を産むかどうか、それは愛の証なのか。岸田理生のホンは観念的だが、感性>>続きを読む
これはもはやロマンポルノではない。約束事が守られていない。
描かれるのはまたしても「周縁者」の世界。河原に住んでいる事からも知れる貧しき夫婦と、変わり行く「郊外」から弾き出された若者達の「ついてない」>>続きを読む
田中登が、自身の「(秘)女郎責め地獄」を1974年の大阪西成あいりん地区で再構築したと言える一作。
遊郭好きにも溝口とともに神格化されている映画である。
それまでの監督作のモチーフをぶち込み、明日な>>続きを読む
テレ東シネマクラッシュ枠で。洋画やってよ。
皆様すぐにそう思われる(というかそう作ってある)けれど、これは山田洋次による「東京物語(及び所謂松竹大船調)の90年代的な改題である。
地方の農村(岩手県)>>続きを読む
グェン!可愛い!終わり! 最高。
俺っち世代のスパイディは、やっぱマーク・ウェブ/ガーフィールド版。サム・ライミ版はMJがブスなので嫌い。
本作は「キャプテン・アメリカ:ウインターソルジャー」とは>>続きを読む
シナリオタイトル「お弁当」。公開タイトルは「熟女・発情 タマしゃぶり」。見事なタイトルだと思う。「たまもの」よりずっといい。現行上映版はまた違うタイトルになっている。改題されながら観続けられていく。そ>>続きを読む
神代辰巳の映画を「軟体生物的」と評したのは寺脇研だが、それは姫田真左久の縦横に動き続ける撮影によるものだ。
何者でもない者でいようとする男のさすらいの果て。こんにちわ、さようならを唄う歌謡曲が出会いと>>続きを読む
小川節子デビューから三作目、月一連投の時代劇ロマンポルノ。
契りを交わした男と添い遂げる事を夢見ながら、その美貌故、大店の旦那に買われ女として仕込まれていく、悲劇の毒婦を描く。
撮影が高村倉太郎さんな>>続きを読む
ピンク映画としては0点だと思う。一般映画として観ると、"インディーズ映画"みたいな中では凄く良い作品だと思うけど。
朝倉ことみのユリコサーガ明け、怪談映画を挟んで本格始動となる女優・涼川絢音とのタッ>>続きを読む
後の「大奥十八景」のオリジンであり、「時代劇ポルノ」のひとつの頂点でもあろう絢爛豪華な馬鹿エロ絵巻(誉めてます)。
史実にある十一代将軍の子沢山をネタに、池ちゃんをねずみ小僧に仕立てた辺りが見事。体制>>続きを読む
上野オークラでR18版「大人の同級生 させ子と初恋」を鑑賞。
2018年2月の神納花作品以来の竹洞組田舎ピンク映画。
ローカリズム志向は変わらない上に、ミニマリズム的な作劇が映画としての弾みを無くし>>続きを読む
閉館した飯田橋くららで鑑賞。
加藤義一監督とめぐりちゃん再びのタッグは、下町のロケが光るちょっといい話系人情ドラマ。
ピンク映画を支え続ける男優、なかみつせいじ劇場とも言うべき一本。饒舌にならぬよう>>続きを読む
BSテレ東放送のフジテレビ放映時吹替版で。
下條アトムのエディは大好き。この吹替えはほんとにもう別の映画と言ってもいいぐらい、この下條さんとアーセニオ・ホール役の安原義人さんが最高。
マクドーウェルさ>>続きを読む
田中陽造と曾根中生、"具流八郎"たる二人の仕事としては納得がいく、田沼時勢の乞食娘(片桐夕子)と旗本青年の身分を越えた悲恋物語。
時代劇なのに「総括」「シュプレヒコール」なんて言葉が出てきて物騒この>>続きを読む
返還直後の沖縄でオールロケした大島渚、ATGでの最後の仕事。場所が場所だけに非常にコンパクトに作られていて、16ミリで撮られた自主製作映画の味わいがある。表向きは、栗田ひろみと石橋正次という当代人気ア>>続きを読む
上野オークラの星野ゆずぽん引退作特集で。
山内大輔監督やはり巧い。どこで撮ろうと世界の果てを思わせる画面の切り取り、毒が画面に回っていくかのような場末で生きる女の性が悲しい。
消毒液が呼応するドラマ>>続きを読む
どえらい面白い映画。曾根さんの時代劇のお約束破りは「性盗ねすみ小僧」と変わらず、人を食ったような(牛は喰います。あれ?でもすき焼きって…)スラップスティックなコメディが展開。
白痴の女郎を演じる片桐夕>>続きを読む
閉館した飯田橋くららで鑑賞。8月のテアトル新宿R15版(「誘惑遊女 ソラとシド」)の予習。
寂れた海辺の町の所謂「ちょんの間」を舞台に少し変わったホームドラマを展開させつつ、町の浄化と開発の名の下に崩>>続きを読む
上野オークラで鑑賞。この年から本格デジピンとなった。
高橋祐太脚本、国沢(★とか無くなった)実監督の初デジタル撮りとなった本作は、は少子化問題と童貞喪失ドラマが融合したコメディピンク映画。
健気なヒ>>続きを読む
森田芳光のロマンポルノ第二作、チーフ助監は金子修介(「噂のストリッパー」で那須さんがついて怖かったので替えてくれと言われ登板となったそうです)。
全カット遊びに溢れた移動撮影で、ふわふわと、行き先を敢>>続きを読む
韓国映画はアクション系よりも静かな映画が好みだし、良作が多いような気がしている。
「猟奇的な彼女」みたいなキュートな話も好きだが、「8月のクリスマス」や「接続」「インタビュー」「春の日は過ぎ行く」辺り>>続きを読む
釧路を舞台に、久我美子扮する手に障害のある若い女の苦悩と路ならぬ恋を、まるでフランス映画のようなリリシズムとニヒリズムの中に描く。
「雪夫人絵図」では観察者のポジションだった久我美子が、どこか冷めき>>続きを読む
神代辰巳の大正末期への想いは自身の生立ちに関係するようだが、関東大震災を期に数奇な運命を辿る少年に、日中戦争へと傾斜していく日本を絡めて描く中島丈博脚本はまさに、「男も女もアレしかないのよ」という刹那>>続きを読む
東映から池ちゃんこと池玲子を借りて日活が放った本格空手アクション!…な筈なんだが、折角、石原雅史まで呼んだのに、蔵原惟二の演出は鈍調で間延びした仕上がりで残念。
池ちゃんの弾けるおっぱいも見れないし。>>続きを読む
青島幸男原作、後に東宝を本丸として活躍するクレイジーキャッツ(同年7月に「ニッポン無責任時代」がある )の面々をゲストに、サラリーマンが「勝ち組」であった時代らしい、身分差社会の大企業地方支社で実直に>>続きを読む
タイトルからは全く想いもつかない、小沼勝監督の超怪作ロマンポルノ。
劇中の小川亜佐美の台詞「貴方も一回死んでみれば?」が示すように「性」を描からざるを得ないロマンポルノは、反射として「死」を映すのだ、>>続きを読む
これは長谷部安春+永原秀一(!)が描き出すロマンポルノ版「激突!」。
正体不明の男に繰り返し、強姦される婦人警官・小川亜佐美。
彼女は男性原理やおおらかにセックスを楽しむアンモラルな社会(カーセックス>>続きを読む
実家の近所のDVD屋で投げ売りになってたのを捕獲。500円也。
こりゃお得だった。
戦後の旧華族の没落の中で、横溢する「おんなの性」と理性の間で翻弄される熟夫人の姿を、溝口健二はやはり冷淡に、突き放>>続きを読む