実家の近所のDVD屋で投げ売りになってたのを捕獲。500円也。
こりゃお得だった。
戦後の旧華族の没落の中で、横溢する「おんなの性」と理性の間で翻弄される熟夫人の姿を、溝口健二はやはり冷淡に、突き放>>続きを読む
上野オークラで鑑賞。
小川欽也監督(執行導演:加藤義一)。毎年恒例御大の伊豆旅行ピンク。
年の差メロドラマを狙いヒロイン白木優子は健闘するも、男側の櫻井拓也にモテ要素が感じられず、これはミスキャスト(>>続きを読む
加藤彰は時代劇でも油断できない。
歌舞伎を題材にしながら描かれる世界はさながらノワール。圧倒的な「おんな」を発散する続圭子の肉体が、観る者を幻惑する。
脚本は木俣暁喬(和泉聖治の父ちゃん)。加藤作品>>続きを読む
長谷部安春監督が大和屋竺と組んで、時代劇に舞台を移したもうひとつの「野良猫ロック」。
田中真理のクールで熱いヒロインぶりがたまらない。男たちの権謀から自由に、ただ自由に駆け抜ける女たち。そこには変わら>>続きを読む
石原慎太郎の原作を弟・裕次郎が演じる青春篇。やくざの子として産まれたが故、「正しい人」であろうと大学に進学し、自分を模索する中で様々な境遇の若者と出会い苦悩する青年の姿。慎太郎らしいインテリを自問する>>続きを読む
前年の「あした晴れるか」で芦川いづみの新境地を見せた中平が、今回は豪華キャストで描く石坂洋次郎青春ドラマ。
女ばかりの家族で育った芦川(なんと妹が吉永小百合と酒井和歌子!)と、奔放な実業家の母に育てら>>続きを読む
上野オークラR18版「巨乳OLと美乳人妻~北へ向かう女たち~」。
OP映画直系の巨乳担当・加藤義一監督の新作は、折角福咲れんという好素材を得ながら単調な会話劇を撮る事に終始し、観るべき所はもう、れん>>続きを読む
川端康成の原作(製作当時は未完)を水木洋子が端正に整理し、原作の老いや死を見つめる部分はあえてカット(原作ではかなり不穏な感じで始まるので)、様々な生き方をし始める女性の前で、戸惑う戦後の老人と家庭を>>続きを読む
勝新と田宮二郎のホット&クールなイケメン二人が兄弟の盃を交わし(下戸だけど)、「女郎大脱走」に奔走するシリーズ第一作。
喧嘩は強い、女に優しい、ズルが嫌いなハイスペ兄貴は、勝新じゃないとできない説得力>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷大映女優祭で。
山田耕筰の童謡をテーマにした秀逸な児童映画(作曲者自ら出演)。
まだ土管が町中に並ぶ経済成長只中の時代、黒んぼ少年と継子の少女・渚まゆみが、盲学校の音楽会を開く為奔>>続きを読む
原節子さん追悼で観た。
小津の紀子三部作のひとつ。
家族の接続役をやむなく背負い結婚せず生きてきた女性が、家族の為に決断を下すまでの物語。時間が移ろい、離れ離れにならざるをえない「家族」という形の現>>続きを読む
元日に新ピカだったかで観た。
途中盛大に寝落ちしたので、作劇については解らない。
画は一作目のケレン味を欠き内省的で(なんであんな色味なんだろう)、どこか活劇である事に進んで背を向けている感じがする>>続きを読む
朝ドラが永遠に描けない「敗戦」「戦後」がここにある。
生き残った事が良かったのか? 去勢される事を拒み、時代に牙向いてのし上がり、欲にまみれ殺し合う男達。彼らを「死」に引き戻さずにおかないのがポン中の>>続きを読む
BSテレ等玄田哲章吹替版(オリジナル吹替ですね。ニュージャパンフィルムだったし)。
これも何度も見ているがぼーっと見てしまう。作品的にはレン・ワイズマンのリメイク版の方が原作に近いし、コリン・ファレル>>続きを読む
東映実録ヤクザ映画が禁断の地平に足を踏み入れた一作。
真の「兄弟」、血の、民族の絆が巨大な何かの前で利用され翻弄され、挙げ句「絶縁」される姿(ほんとにバッサリ終わる)を、血みどろの暴力で描く山下耕作作>>続きを読む
ネマヴェーラ渋谷「妄執・異形の人々」特集で。
「裸体」と同じく成沢昌茂脚本だが、ここで描かれるのは男の妄執と女の業。全体が「渦」「淵」「流れ」と三章構成になっており、語り手が変わるという「バンテージ>>続きを読む
勝新自身も後にリメイクした第一作。
やくざの二大勢力の争いの渦中に飛び込む「赤い収穫」的なプロットに、剣に生きる者の無常、虚無を滲ませる。
静と動の切り替え、月夜の艶のあるやり取りが素晴らしい。三隅の>>続きを読む
中島貞夫屈指のアクション編。ほぼ全体が移動を続けるバス内で展開するお下品な京都版「スピード」。
乗客達の生々しいエゴイズムに比べ渡瀬、片桐、川谷はそれぞれ青春の挫折を抱えたストイシズムを、暴走に託して>>続きを読む
万博で沸く大阪を舞台に、大原麗子、市地洋子に東京から来た夏純子の三人が、あの手この手の「ハクいシノギ」で稼ごうとする様を描く元祖ガールズムービー。
中島貞夫と掛札昌裕が脚本を書き、中島は主題歌の作詞も>>続きを読む
べーさん監督第三作めは一転、モノクロのフィルムノワールの逸品。
同年の野村孝「拳銃は俺のパスポート」の流れを汲み、物語を図式化して、スタイリッシュな構図や画の面白味を試したかの様な仕上がり。大組織に立>>続きを読む
そこに居るだけで匂い立つ様な色香を放つ、風間舞子が演じる性の煉獄。ラーメン&餃子をペロリと決める熟しまくりの肉体。
これはAVの安っぽい「痴女もの」を遥か後方に追いやる、性と死にとり憑かれた女の物語>>続きを読む
「インセプション」の先を行く?黒沢直輔監督のホラーポルノ。
子宮に入れる事で夢を映像化して人を操れる装置を巡って、レズ女医の復讐を描く無茶な宮田雪の脚本を黒沢監督は様々なイメージのコラージュを短く繋い>>続きを読む
つまらん。
だがこの戦犯は企画の三浦さんだろう。ここは永原秀一・長谷部安春でしょうに。荒井晴彦と高田純はアクション映画の呼吸に全然作風を合わせようとしないし、曾根中生はもっとナチュラルな無政府主義だと>>続きを読む
ムービープラスの一挙放送で一作目から続けて鑑賞。
嫁さんも俺も最初のシークエンス以外ほぼ記憶が無く、家では長らく「出落ち映画」と呼ばれていた。今回もその印象に違わず、例のトリニティーの着地からの爆発、>>続きを読む
だいぶ前のシネマヴェーラ渋谷小沼勝特集で。DVDも何度も再見。
中島みゆき「わかれうた」をテーマ曲に、宿命的な出会いをした明日無き男女が、まさにその日暮らしの様に都会の底辺を彷徨う様を、誇張無く、只>>続きを読む
公開時に新宿東急だったかで観て、その後も何度かビデオやらテレビやらで観たんだが、その当時からどうにも「二次創作」的な映画だなというのが離れなくて、実際に良く出来た二次創作というか、先にあったもの(「攻>>続きを読む
ムービープラスで鑑賞。異例の公開から一年でのムービープラス落ち(普通は二年ぐらいかかる)。
中国で国慶節に公開された本作はある意味で国威発揚、中国映画ここにあり、という喧伝の為に製作されたというのが表>>続きを読む
石坂洋次郎原作を、相性のいい井出俊郎が脚本にした東宝版。
監督はベテランの佐伯幸三。
原作は東北だが、1964年に開業したばかりの新幹線・岐阜羽島駅周辺に舞台を移し、農村部から開発へと進む小さな町で起>>続きを読む
神代組のスクリプター白鳥あかねの脚本を曽根中生が演出、これは「赤い教室」と並ぶ曽根監督の代表作ではないか。三井マリアという好素材に芹明香がぶつかり、曰く言い難い女の凄まじい「何か」が映像に刻印されてい>>続きを読む
山科ゆりには白痴美が良く似合う。というかそういう役でこそ彼女の白い肌、視線はいよいよ妖気を持って見る者を射抜く。
観念的な青臭いドラマだが、若くて野獣未のある風間杜夫、潤ますみ他演技達者が現実味を与え>>続きを読む
1972年の新宿裏町トルコ街(ゴールデン街)で逞しく強かな、それでいて情に溢れた三人の女達の生き様を描く群像劇。
一線級は一人も出てないが、桂知子が微かに憂いを湛えて微笑む様が美しい。原英美はこの頃は>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷「芹明香特集」で。
恐らくは「女囚さそり」の人気にあやかって作られたであろう一作ではあろうが、そこにダウンタウン・ブギウギ・バンドを被せてくるファンキーさんこと小原宏裕監督のセンス>>続きを読む
80年の「レイプハンター 狙われた女」の源流とも思えるバイオレンス監禁ポルノ。
厄ネタを抱えた女が男のもとに帰ってくるというプロットはまさにフィルムノワール。梢ひとみが相手なら地獄巡りもカモンである。>>続きを読む
これはまさしくノワール! 人を切り裂く行為に性的興奮を持ってしまった牙なき男がそれを繰り返すうちに「男」を手にしていく様が戦慄させる。雨の夜に闇の中から(!)現れ、男を血の虜にする山科ゆりの白痴美! >>続きを読む
日活末期、ダイニチ映配で石井輝男を監督に迎えた梶芽衣子の任侠ホラー。
黒猫の呪い(あれ、これって「怪猫トルコ風呂」…)に苦しむ女侠客・梶芽衣子という珍妙な筋立てに、石井得意のエログロを全面に絡め、劇中>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷で鑑賞。
決して良い作品ではない。安藤昇の独白で綴る戦後史であり、暴力にしか生を見出だす術を持たなかった日向謙という戦後が産んだ膿が野たれ死ぬ様を、中島貞夫は抑揚なく描き放り出す。>>続きを読む