ジョンマルコビッチ総統さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

春を背負って(2014年製作の映画)

3.2

本日が山の日だったので。
劒岳点の記から木村大作監督つながりで鑑賞。
自然の厳しさと雄大さ、その対比としての小さな人間という劒岳の視点とは代わり、その小さな人間の営みの温かさと尊さに焦点が当てられた本
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劔岳 点の記(2008年製作の映画)

4.3

明治39年。前人未到の劒岳の観測登頂という大事業に臨む主人公たちの物語。

古くは修験道・立山信仰の地であり、信仰の上でもその険しさにおいても未踏の地であった劒岳。
吹雪、絶壁、圧倒的な大自然と、対比
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.0

ヒューマンドラマ。
綾野剛がかっこいい。

展開や舞台の違和感は多分にある。

千年女優(2001年製作の映画)

4.6

今敏監督の最高傑作は本作であると確信している。
虚構と現実の重ね方、千変万化な映像美。
千代子の走り抜けるシーンの中で最も印象的なのが、鞍馬天狗から流れるように続くシーンである。
幕末の動乱から明治開
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.6

公開作で削らざるを得なかったエピソードを追加して、再構築した本作。
主にはすずさん周りの人間関係部分を加えて、彼女が居場所を見つけるまでの物語をより丁寧に描いている。

本作は原作から行間を読み込む作
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東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

3.3

冴えない日常、逃げたり負けたりした過去をやり直りたい、そんな誰でも一度は考える後悔をやり直すという普遍的なストーリーに、現代の閉塞感を吹き飛ばすような90年代(舞台は10年代だけど)ライクな不良たちの>>続きを読む

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.3

かの有名な暗号機エニグマにかかわる人々の物語。派手さはないがおもしろい。

トップガン(1986年製作の映画)

3.6

名作!!
当時のアメリカのかっこいいを詰め込んだ爽快さ!
名曲と共に描かれる滑走路の興奮、マジックアワーの美しさ。
マーヴェリックたち飛行機乗りの友情と恋。圧巻のドッグファイト。
80年代らしい戦闘機
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

3.3

ブラジルのバイオレンスサスペンス映画。
前半でじわじわと謎を散りばめて、視聴者を村人とともに不安にさせていく。

全容が見える後半、視点の反転や伏線回収などが怒涛の勢いで行われる。
なかなか面白かった
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.0

うん。
うーん。

子供とおもちゃの物語が、おもちゃの物語になってしまったなぁ。 
前作までのオモチャであることの誇りと責任、喜び。仲間との絆。これを全部とっぱらって、おもちゃだって自由に好きに生きよ
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.3

アラサー女性の心理をベケットばりのピンポイントで狙い撃ちしてくる本作。

キッチェな映像とまったくかわいくない(色々な意味で)彼女のかわいらしさ。

以前近所の名画喫茶で試聴した作品で、当時ちょうどフ
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震える舌(1980年製作の映画)

3.6

Jホラーのおすすめに必ずと言っていいほど入っている本作。
でも、これホラーではなく、ヒューマンドラマですね。

少女の恐ろしい病と、少女を取り巻く人々の精神が摩耗していく様子が実にリアルに描かれており
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事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

2.3

物件3までは最近のほん怖レベルの怖くないけど丁寧に作ったホラー映画だなぁという印象。
物件4で興醒めレベルじゃないつまらなさになってしまった。なんでなのか。

5体出てきたとこから、あれ?ネタに走った
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.3

まずは司馬遼太郎の原作小説の一ファンとしては、改変するならオリジナルでやればよかったのにという思いが強い。
そもそも本作含め新撰組もので結成から箱館戦争までを描いた場合、何かひとつメインとなる軸を持た
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帝都物語(1988年製作の映画)

3.2

昭和特撮の香り高い娯楽作。
やはり島田久作演じる加藤保憲のキャラクターがあっての作品。

ストーリーや脚本はさておき、映像がとにかく美しい。
帝国軍人風の怪人と凛とした美しさの巫女の戦い。
縁日、演芸
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たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)

3.8

東北のある藩を舞台にひとりの武士とその家族の物語。
朴訥としたなかに灯る優しさと虚しさとやるせなさ。

三部作の中では圧倒的に本作が好き。 
エンディング曲である井上陽水の「決められたリズム」が心に沁
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.3

言わずと知れたアメリカンニューシネマの名作。
神に否定され続ける、あるいは神を失いつつある登場人物たちのモチーフは、彼らの名の通り(キャプテルアメリカことワイアット、ビリーは、西部劇の定番人物ワイアッ
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リーサル・ウェポン2 炎の約束(1989年製作の映画)

3.3

リッグスとマータフのコンビ再び!
こういうのでいいのよね

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.8

どこかファンタジーのようでありどこまでも現実な乾いたポートランドやアイダホの空気のなかで、主人公の感じる孤独と渇望が浮き彫りになる。そこここに洒脱な演出もあり、世界観は悲惨になりすぎず、時にむしろその>>続きを読む

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

3.5

先日漫画の「ペリリュー〜戦場のゲルニカ〜」を読了したのと、戦争について考える機会が多いので最近戦争映画を見ている。

徹底的な持久戦でアメリカ軍にも予想外の大被害を出し、日本も大量の戦死者を出した激戦
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

3.5

不朽の名作すぎて好きな映画に上げづらいとまでいわれたヒューマンドラマ。

本作とシンドラーのリストは観ようみようと思いつつなんとなくいつでも観れるという思いから手が出せないでいた。
まさかの金ロー放映
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ダーク・プレイス(2015年製作の映画)

3.0

暗めのサスペンス。
途中でオチが見えてしまった。
被害者家族、加害者家族、借金。
生きづらい。

箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

3.4

韓国のミステリーホラー。
レトロでノスタルジックな映像が大変美しい。音楽もよくハイセンス。
ホラーならではの演出はフラッシュバックの多用や溜めが長かったりと、若干悠長で分かりづらかった。
この手の手法
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ホノカアボーイ(2008年製作の映画)

4.0

やわらかい風
パステル調のフィルムワークがやさしいホノカアの町。
のんびりとした人々。
虹。
おいしいごはん。

「かもめ食堂」の荻野直子作品にも似た空気感のようでいて異なるのは、本作にはゆるやかな時
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード(2003年製作の映画)

3.0

焼肉食べたーい!

熱海の再現率が高すぎるし、チャリの性能も高すぎる。くだらなくて良かった。

焼肉食べたーい!!

戦場にかける橋(1957年製作の映画)

3.3

劇中流れるクワイ川マーチはあまりにも有名。戦争映画ではあるが、コメディアスなシーンもあり観易い。暴力シーンは少なめ。
いい意味でも悪い意味でも全員が人間らしくどうしようもなく、それゆえにラストの虚しさ
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君を忘れない FLY BOYS,FLY!(1995年製作の映画)

2.8

昭和20年を舞台とした青春映画。
内容はいわゆるトレンディドラマで、時の俳優陣やタレントが出ているが演技をしているのは唐沢寿明だけ。

戦争ものではないのでそういった内容をけして期待してはならない。
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野火(2014年製作の映画)

3.8

フィリピンのジャングルで飢餓と銃撃の恐怖のなか彷徨う主人公を追う本作、敵が潜むジャングルにおいて死体に囲まれ飢餓に苛まれ狂っていく人間性の描写も秀逸で、ガリガリに痩せ、歯もかけ、誰が誰かわからないほど>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

3.3

1950年代のポーランド映画。
時代はドイツ敗戦による第二次世界大戦終結とソ連による支配の始まり。
混乱のポーランドに生きる若者の愛と苦悩を描く、抵抗三部作の第三部。

ミッドウェイ(2019年製作の映画)

3.2

太平洋戦争の分水嶺ミッドウェーをアメリカの視点で描いた映画。
アメリカの視点ではどう描かれるか興味があり鑑賞した。
史実に沿おう、出来るだけ公平に書こうという意思はあるが、そこに注力しすぎたせいか、映
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DearFukushima,チェルノブイリからの手紙(2012年製作の映画)

2.4

ドキュメンタリーであるため、主観が多いものの、原発事故を経験した人の生の声は貴重である。

あくまで事故ではなく、事故後の対応と復興に焦点を当てているので、事故の顛末や化学的検知からの視点は薄い。
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.0

独裁政権下のスペインを舞台にしたファンタジー映画。

「ナルニア国物語」の背景に第二次大戦の影が横たわっているように、主人公のオフィリアはフランコ政権下、その権化のような冷酷な義父のいる対ゲリラの前線
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.5

女子高生の片思いの相手は冴えない中年店長!
スピリッツ掲載漫画原作、女性なら人生のどこかでなんとなく覚えがある年上男性への淡い思慕をさわやかに描く。
主人公を演じるのは、初々しく伸びやかな小松菜奈。女
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二百三高地(1980年製作の映画)

3.9

日露戦争を題材とした日本映画。

「坂の上の雲」を既に見ていたので全体の流れが混乱せずに把握できた。

かつての東映の栄華を思い起こさせる一大スペクタクルで、激しい戦闘シーンとその泥沼の肉弾戦と砲弾の
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.6

全てのカットがおしゃれに練られたまさに雑誌のような映画。
ウィットに富んだキャンディ感覚で楽しめる軽やかなストーリーと、レトロポップで場面ごとに色を変えるユーモアに満ちた映像が楽しい、多福感溢れるアン
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